暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
Ep7澄み渡りし海上に白蒼の羽根は舞う〜Segen Ritter〜
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、はやては体勢を崩してしまう。そこに迫るルシリオンは再度「我が手に携えしは確かなる幻想」と唱えた。

「バルムンク!」

『行くですっ!』

はやては必至に体勢を直し、魔力弾をルシリオンへと放った。全方位からの直射弾だ。彼は「なにっ!?」驚愕の声を上げ、咄嗟にシールドを張った。しかしいくつかの魔力弾がシールドを通り抜けて直撃、彼を覆い隠すほどの爆煙が発生した。そのあまりの呆気なさにはやてとリインは心の内で首を傾げる。

(・・・ルシル君ってこんなに弱かったか?)

はやてはそれもまた何かの布石かとも疑う。そして頭に過ぎるのは先程から戦闘に参加しないもう1人の白コート。彼女が何らかの重要な役割を持っているのかもしれないと警戒しておく。

「っ、さすがは総合とはいえSSランクの魔導騎士・八神はやて」

ルシリオンがボロボロになった白コートを剥ぎとった。完全に露わとなった黒き魔術師・ルシリオンとしてのその姿。うなじ付近で縛られた銀の長髪が尻尾のように風に靡いている。リインは震えた声で『ルシルさん・・・』と口にした。

「これ以上は時間を掛けてはいられない。ゆえに・・・【ノーチェブエナ、力を貸してくれ】ここからは2人で戦わせてもらおう」

2人で、という言葉にはやては遠く離れたノーチェブエナへと視線を移した。だが、先程までそこに居た彼女の姿が見当たらない。

「いくぞ、ノーチェブエナ」

「『っ!?』」

はやてが再度ルシリオンへと視線を戻す。彼の隣、そこにはいつの間にか移動していたノーチェブエナの姿があった。彼女の背にある三対の白翼。白コートの上から分かる女性としての体格。はやては思った。もしかして、やっぱりそうなんじゃないか、と。

「・・・すぐに終わらせる・・・」

ルシリオンとノーチェブエナが手を繋いだ。

「「ユニゾン・・・イン!」」

「『なっ!?』」

強烈な蒼の閃光が辺りを照らす。視界を潰され、行動不能となっているはやての内に居るリインは驚愕する。ノーチェブエナと呼ばれた“テスタメント”幹部は自分と同じ融合騎だったと。
はやては別の意味で驚愕していた。これはもう間違いないと。ユニゾンインと口にした際の声。それは忘れられない家族のものだった。
蒼の閃光が治まる。はやてとリインの目の前に居るのは1人の男とも女ともとれる外見の存在。だが体格からしてそれは男だと断定できる。その姿は先程までのルシリオンとは違っていた。

「あれ?・・・あの防護服のデザイン・・・、まるで・・」

髪色の銀は蒼に近い蒼銀となり、瞳の色は虹彩異色ではなく深紅に統一されていた。結われていた長髪は解かれ、毛先に向かうほどふわりと左右に広がっている。
背にあった六対の蒼の剣翼は三対の翼となり、右側が白い翼で
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