第三章
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「けれど特撮はですね」
「また違ったよさがあるよ、じゃあこれからも」
「悪の限りを尽くしますね」
「ああ、やってやるよ」
笑顔でこう言うのだった、そして。
彼は実際に悪の限りを尽くした、ダムに毒を流そうとしテロも行おうとした。ありとあらゆる悪事を尽くしていた。
しかしだ、その中でだった。
常にライダーに阻まれる、だがその際もかなりの戦闘力を見せ悪を見せ続けた。すると子供達は余計に彼を嫌った。
『いい加減にしろ!』
『何時まで悪いことを続けるんだ!』
『ヒーローは負けないんだぞ!』
『御前は絶対にやっつけられるからな!』
『正義は勝つ!』
『世の中悪は栄えないってお父さんが言っていたぞ!』
手紙の量はどんどん増えた、それで秋山は余計に上機嫌になってそのうえでまた伊武に話したのだった。
「励みになるよ」
「燃えていますね」
「こんなエールないよ」
子供達の手紙がだというのだ。
「どんどん悪いことをしていくよ」
「この前蹴られたんですよね、子供に」
ここで伊武はこう秋山に言った。
「そうですよね」
「そうだよ、男の子に足を」
「それはまた災難でしたね」
「いや、それもだよ」
「嬉しかったんですね」
「やっつけてやる、って言われてな」
そう言って来て蹴ってきたというのだ、子供が。
「足をコツンと」
「そしてそれがですか」
「嬉しいよ」
「そこまで嫌われてこそですね」
「役者だよ」
まさにそれだというのだ。
「役者にとって最高のことだよ」
「じゃあ倒された時は」
「どうなるかだな」
「子供達大喜びですかね」
「そうなったらいいね」
若しそうなったらどれだけ幸せかとだ、秋山はにこにことしてそのうえで伊武に対して言うのだった。
「じゃあこれからもな」
「番組終了までですね」
「悪の限りを尽くすか」
「頑張って下さいね」
「そうするよ」
こう言ってだ、そしてだった。
秋山は活躍を続け最終回が近付くとだった、ここで。
子供雑誌にだ、彼が演じる大佐についてこんなことを言われだした。
『何と大佐の正体は改造人間らしい!』
『普通の人間ではなかった!』
まずはこの煽りめいた文章からはじまった。同時に大佐の如何にも悪そうな笑顔の写真も掲載されていた。
『大佐の正体は何か!?』
『どんな改造人間か』
『ライダーは勝てるのか!?』
『ダブルライダーに勝機は!』
何時の間にかライダーも二人になっていた、強大な大佐と改造人間達と戦いそのうえでヒーローも戦力をアップさせていたのだ。
その煽りが出てだ、秋山も言う。
「さて、どうなるかな」
「もう最後の出番の脚本受け取りましたね」
「うん、読んだよ」
彼にしてもだ、既にだというのだ。
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