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とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第10話 なにすんのよお!
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ってた事だけど……」
 三人は神殿の入り口に歩き出す。
「神の不在を証明するって、あなた言ったわね」
「言ったぜ?」
「あたしは……この遺跡にいればいるほど、あなたの考えとは逆の確信に近付いていくわ」
「そんな事はわかんねぇぜ。つい数十年前までは神の怒りとされていた旱魃や冷害や蝗害だって、前年の気候やなんかとの関係性が見いだされつつある。神の奇跡で作られたとしか思えない古代の巨大遺跡だって、単にその建築法が失われてしまっただけで、あともう少しで建築技術を再現できるんじゃないかってところまで来ている。この遺跡だって、決して無限の広さじゃないさ。遺跡の構造の全てを解明できれば、遺跡や魔物の存在に神が関与しない事がわかるさ」
「仮にアスラ・ファエルの建築に神が介在していなかったとしても、それを盾に神の不在を主張するのは苦しいと思うけど……。でもウェルド、どうしてそんな突飛な事を思いついたの?」
「――っ、と」
 前を歩いていたディアスが無言で止まる。眼前に太陽神殿の扉があった。扉の正面には石の円盤が取りつけられ、その中央が、これまでにここを通った冒険者たちの手の形に汚れていた。
 ウェルドは円盤の中央に右手を合わせた。
 驚くべき事に、扉が消滅した。
 中から何か白い物が突進してきた。
「うおっ!?」
 それは三人の間を通り抜け、橋の途中で止まった。
 くるりと振り向いたそれは、白いシャコのような魔物だった。太い二本の前脚と、細い無数の後脚が目立つ。ノエルが杖を振った。魔物は火柱に身を貫かれ、炭になって死んだ。
「び、びっくりした……!」
「せんぱぁい、魔物がいるならいるって教えてくれればいいじゃないっすかぁ〜」
 嫌味たっぷりに言うと、ディアスは冷淡な目をくれ、素っ気なく言った。
「奴は体の正面の補脚を光らせた後、今のように突進を仕掛けてくる。後は長い舌に気をつけろ。ありきたりな助言になるが、正面に立つのはやめた方がいい」
 黒の羨道を思うと、中はかなり明るかった。
 壁際に並ぶ高い窓と、外に輝く人工の太陽のおかげだ。
 壁や床の装飾にも金が施され、太陽光を反射している。
 そんな神殿のエントランスを、先ほどと同じシャコみたいな魔物が跋扈しており、その全てが一斉に三人に顔を向けた。
 ディアスが左手の石板を胸に掲げ、右手で文字列の一部を撫でる。同時にほとんど声を出さず、口の中で呪文を呟く。文字列が光った。鋭い冷気が彼の足許から立ち上がり、魔物達の群れへとまっすぐに飛んで行った。
 冷気の爆発。
 魔物達は凍りついた。転がる魔物の死骸の間を、霜柱をザクザク踏んで、ディアスが悠々と歩いて行く。ウェルドは通りすがる時、魔物の死骸を軽く叩いて様子を確かめた。単に体の表面が凍っているだけでなく、体中の全ての水分が一斉に凝固
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