第七章
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「俺達じゃなくてな」
「そうか、違うか」
「別のところの誰かか」
「そうだよ、最近はそいつとな」
大阪で遊んでいるというのだ。
「そうしてるんだよ」
「そうか、誰かわからないけれどな」
「仲良くやってるんだな」
「そいつと大阪で遊んでるんだな」
「最近は」
「御前等ともだけれどな」
このことは変わらなかった、祥太郎は彼等とも遊び続けている。
だがその相手ともだ、共に遊んでだというのだ。
「楽しくやってるぜ、食べ歩きとかしたりしてな」
「まあ仲良くやれよ」
「楽しくな」
彼等もそんな彼の背中を押した、そうしてだった。
祥太郎はまた大阪に行った、今度は住吉に行った。八条鉄道の住吉駅を降りるともうそこに彼女がいた。
上は緑のブラウスで下は黒いズボンだ、祥太郎はその格好の麻美においおいといった顔で声をかけた。
「ちょっとな」
「ちょっとって?」
「その格好ださくないか?」
「そう?」
「ああ、折角遊ぶのにな」
「いつもじゃない、それでに今日はお好み焼き食べに行くのよね」
「そうだよ」
そのことはその通りだというのだ、祥太郎も。
「今からな」
「それならいいじゃない、ラフでも」
「そういうのじゃないだろ、何ていうかな」
「デートだからっていうの?」
「何か垢抜けないな、スカートとかな」
「スカート好きじゃないから」
これは麻美の服の趣味だ、だからだというのだ。
「これでいいじゃない」
「やれやれだな、本当に高校の時からな」
「色気がないっていうのね」
「何か違うんだよな、遊ぶならな」
「いいじゃないラフで」
あっさりと返した麻美だった、そこには何の屈託もない。
「遊ぶんだし」
「見解の相違かよ」
「そうなるわね。とにかく今からね」
「ああ、お好み焼き屋に行ってな」
それからだとだ、祥太郎は麻美にさらに話した。
「その後で住吉さん行くか」
「住吉大社ね」
「太鼓橋渡ろうな」
住吉大社の名物である上に高いアーチになった木の橋だ、そこを二人で渡ろうというのだ。
「食べた後でな」
「そうね、それでお参りもしてね」
「何お願いするんだよ」
お参りと聞いてだ、祥太郎は麻美に問うた。二人で祥太郎が案内するお好み焼き屋に向かいながら話している。
「一体」
「いや、次もこれからもね」
「これからも?」
「一緒に楽しく食べ歩きたいなってね」
「そんなこと願うのかよ」
「あんたと一緒にいたら美味しいもの一杯食べられるからね」
それでだというのだ。
「そうお願いするつもりよ」
「そんなのお願いすることかよ」
「駄目なの?」
「他人が何をお願いしようと何も言わないからな」
それはないとだ、祥太郎は首を左に傾げさせて述べた。
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