第三章
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「女の子と遊ぶのもいいだろうな」
「だろうか、そうなんだな」
「そこでそう言うんだな」
「いや、俺合コンとかは行ってもな」
そうした場所で女の子と遊びはする、しかしだというのだ。
「デートはしないからな」
「だからか」
「それでなんだな」
「ああ、具体的には言えないんだよ」
そうしたことはというのだ。
「ちょっとな」
「そうなのか、デートはか」
「そっちは知らないんだな」
「そうだよ、残念だけれどな」
こう話してそうしてだった。
祥太郎は仲間達と一緒に新しい遊び場所に行こうとした、だがここで。
不意に曲がり角、左側から誰かが出て来た、そうしてその人にぶつかってしまった。
その相手は一重の大きなはっきりとした目をしていた、黒い瞳が黒真珠の様でしかもかなり大きい。眉は前髪に隠れているが整っている。
黒髪を首が完全に隠れる高さまで伸ばしていてストレートにしている。ホームベースを細長くした様な顔の形をしていて口は横にやや大きく唇の色は綺麗な赤だ、鼻の形は下の部分が一直線になっている感じで程よい高さだ。
背は一五八程度で胸が目立つ、黒いベストとズボン、それに白のシャツといった執事の様な服を着ている。
その彼女とぶつかった、するとお互いにだった。
相手の顔を見てだ、まずは祥太郎が言った。
「えっ、北崎!?」
「二宮!?」
お互いに言い合う。
「おい、何でここにいるんだよ」
「あんたの方こそ」
「俺はあれだよ、ここで遊んでるんだよ」
「私は仕事で」
祥太郎に北崎と言われた女、祥太郎達と同じ歳だと思われる彼女はこう祥太郎に返した。
「鶴橋にいるけれど」
「ここで働いているのかよ」
「正確に言えば上本町でね」
そこが彼女の勤務先だというのだ。
「ハイハイタウンの中のゲームセンターにね」
「そういえばあそこに八条ソフトの直営店あったな」
八条グループ、祥太郎達が通っている八条大学を経営している世界屈指の企業グループの中のソフト会社の一つだ、数々のヒット作を出していて多くのゲームセンターも経営しているのだ。
「あそこでか」
「そう、働いてるのよ」
「そういえば御前就職したんだったな」
「そうよ、それはあんたも知ってるでしょ」
女は祥太郎の顔を見据えつつ返す。
「私が就職したのは」
「ああ、それはな」
祥太郎にしろ知っているというのだ。
「俺だってな」
「八条ソフトに入社してね」
「御前ゲーム好きだからな」
「それで今は上本町で勤務しているのよ」
そうだというのだ。
「で、今はちょっとね。問屋さんまで行ってて」
「鶴橋にいるのか」
「そうよ、まさかここであんたと会うなんてね」
「意外だよな」
「お互いにね。まあ大阪で遊ぶんなら」
それなら
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