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Fate/magic girl−錬鉄の弓兵と魔法少女−
無印編
第三十三話 残る者たち
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肢は初めからない。

「あなたがいなければ私はフェイトのところまで行けないのだから信じてるわよ」
「ああ、ならばその期待に応えるとしよう」

 プレシアの意外な言葉に一瞬固まるが、笑みを浮かべて返事をする。

 その時、左手に持つオハンが金切り声を上げた。
 オハンが声を上げるという事は自身に危険がせまるという事、だがジュエルシードではない。
 これが反応したのは

「上か!!」

 カラドボルクを使ったせいか、それとも振動で限界を迎えたのか。
 破滅の咆哮を上げるように俺達に向かって天井が落ちてきた。




side リンディ

 アースラの中に戻った私はすぐにクロノやなのはさん達の状況を確認する。
 なのはさん、フェイトさん、アルフさんは脱出準備をするユーノさんの所にもうすぐ到着する。
 クロノもアリシアさんを抱えて、出口に向かってる。
 これなら間に合うわね。

 だけどもはや絶望的な位置にいるのが士郎君とプレシア女史。

 今すぐ脱出してもギリギリという時間。
 その時

「艦長、士郎君が確認したい事があると」
「この状況で!?」

 士郎君なら今の状況がまずいのはわかってるはずだ。
 この状況で確認したい事とは何なのか。
 まさか気がついたのだろうか?

 内心嫌な予感がしながらモニターを開く。

「士郎君? どうしたの、早く脱出を」
「確認します。このままジュエルシードを放置すればどうなりますか?」

 問いかけは素早く、簡潔だった。
 その問いかけに私は表情を崩してしまう事で応えてしまった。
 士郎君は

「このままジュエルシードを放置すれば俺達の世界が消える。
 間違いないですね」
「……ええ、そのとおりよ」

 もはや手の施しようのない状況に気が付いていた。
 そして、私の表情で確証を得てしまった。

 事実ディストーションシールドを展開して可能な限り次元震を抑えていた。
 だけどジュエルシードが暴走しようとしている今、その効果は抑えていた分次元断層が起きるのを先延ばしにしただけにすぎない。

 士郎君は輝きを増し、魔力をどんどん増していくジュエルシードを見つめる。
 そんな中で

「まったくケリをつけるとはいえやり過ぎだな。
 悪いが少々付き合ってもらう事になるぞ、プレシア」
「それは否定しないし付き合うのは構わないわ。けど本気?」
「ああ、アレを止める」

 世間話をするかのような軽い口調でそんな事をいう。
 これはそんなレベルの話じゃない。
 そうだというのに

「あなたがいなければ私はフェイトのところまで行けないのだから信じてるわよ」
「ああ、ならばその期待に応えるとしよう」

 士郎君は
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