第三章
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「じゃあな」
「ああ、捕まえ方は知ってるか」
「そこまでは知らないさ」
仲間は今も目を逸らしている、そのうえでの言葉だ。
「俺も」
「何や、役に立たんのう」
「ただな、昔からいる妖怪だからな」
ここで仲間はチョンチョンについて細かい話をはじめた。
「それこそスペイン人がここに来る前からな」
「アステカとかの頃からかいな」
「そうだよ、だからな」
「インディオなら知ってるんやな」
「そうかもな」
「そういや下町の方にインディオも結構おるな」
もっと言えばハラロスにしろ仲間にしろだ、インディオの血が入っている。所謂メスティーソである。メキシコも混血が進んでいるのだ。この辺りはラテン系の気質も関係しているのだろうか。
「そこに行けばか」
「わかるかもな」
「そか、じゃあ行って来るわ」
ハラロスは仲間の話を聞いて述べた。
「それでチョンチョンの細かい話も聞くわ」
「そうするのか」
「ああ、何か気になるわ」
そのチョンチョンがだ、こう話してだった。
ハラロスはアカプルコの下町に向かった、そこには比較的インディオの血が濃い者や純粋なインディオもいる。そのインディオの中に入って聞くと。
中年の女の一人がだ、こう言って来た。
「妖怪だね、そうした話ならな」
「知ってる奴おるんか」
「占い師の婆さんが詳しいよ」
その人がだというのだ。
「ここの外れのな」
「そうか、じゃあその婆さんに聞くな」
「店の場所も教えるよ」
こう言ってだ、そしてだった。
女はハラロスにその占い師の婆さんの店の場所も教えた。ハラロスは彼女のその紹介に従い老馬の店に行った、するとその店は。
インディオ独特の趣きの古風な店だった、無学なハラロスにはわからないが縄がありそれで何かを言い表している。アステカやマヤの神々の石のレリーフも飾られている。
老婆は普通の女の服を来て店の奥に座っていた、どうやらレリーフ等は売りものでもあるらしい。そこにいてだった。
そのうえでだ、ハラロスに尋ねてきた。
「買うのかい?占って欲しいのかい?」
「話を聞きたいんや」
そうしたいとだ、ハラロスは老婆の前に来て答えた。
「それで来たんや」
「話?」
「婆さんチョンチョンについて知ってるか」
かなり直接的にだ、ハラロスは老馬に問うた。
「あの妖怪についてか」
「あれだね」
老婆はハラロスの問いにこう返した。
「あんた声を聞いたんだね」
「チョンチョンとかいうな」
「それが名前の由来だよ。幽霊みたいなものでね」
「それはもう聞いてるわ」
仲間からそうしたとだ、ハラロスは老婆に言った。
「姿も見えへんってな」
「そうだよ、けれど見ることは出来るよ」
「それが出来るって聞いて来たんや」
まさにそ
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