第十一話 幼児期J
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妹の傍にいるように心がけているのは変わらないけどね。
「……なぁ、コーラル。時空管理局にこの情報渡したら、開発止められるかな?」
『……難しいですね。管理局の上層部にもかなり食い込んでいます。これでは権力でこちらが潰されますよ。それにどれだけすごい情報でも、ますたーはまだ5歳です。信憑性がありません。信頼できる管理局員がいるならいいのですが、実際に起きなければ誰も…』
「そっか…」
俺は自分の手をじっと見つめてみる。小さな子どもの手を握っては広げ、今度はぎゅっと握り込んだ。本当に今ほど原作から20年以上も前なのが悔やまれることはないな。少なくとも、20年先なら信頼できる管理局員を見つけられるのに。俺の知識にいる人達は、みんな子どもか産まれていないんだから。
「……うまくいかないもんだ」
『ますたーは頑張っていますよ。僕は知っています』
俺もコーラルには感謝している。母さんにも黙っていてくれるし、5歳の子どもにはない俺の異常性を誰よりも知っているはずなのに、俺の手伝いを何も言わずにしてくれるのだから。
『とにかく地道にやっていきましょう。必ず結果に結びつきますよ』
「そーだな。焦ってもしょうがないしな」
秋が過ぎたら、冬が来る。すぐにでも季節は巡るだろう。すべての始まりの日が刻一刻と近づいてくるのを感じる。俺に出来ることなんて少ない。でもだからこそその少しぐらいは、俺に出来ることを精一杯に頑張ろうと思ったんだ。
「頑張ろうか。コーラル」
『頑張りましょう。ますたー』
未来を変える決意をしたんだ。例え―――頑張った先を考える覚悟が、まだちゃんとついていなかったのだとしても。
「でも一番簡単なのって、集めた裏情報全部ネットに流しまくって、あいつら社会的に叩き落とすことだよな」
『問答無用の犯罪行為ですから、本当にやめてくださいよ』
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