第十一話 幼児期J
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ことや、今度こそ本当に死んでしまうかもしれない。だけど、自分が選択して決めたことだけは、絶対に後悔だけはしないと心に誓ったから。
「あ、でも。お願いはある」
「お願い?」
突然の頼みに男性は目を白黒させる。まだ言葉を話すのはたどたどしいが、それでも伝えたいことが少年にはあった。アルヴィンは相手の反応に小さく笑いながらも、大きくうなずいた。
「俺、作ってほしいものがある。で、やっぱりすっごいのがいい」
「作るって……私の仕事関係か?」
「うん」
アルヴィンの急な申し出に、男性は驚きながらも同時に少し嬉しかった。この少年はあまりわがままを言わない。謎の行動力を発揮することはあるし、唐突に話題をふってくることはあるが。少ないわがままが今までになかったわけではないが、自分のためのわがままはほとんどなかった。
「まほぉー使ってみたい! ビーム撃てる!」
「いや、ビームは危ないんじゃないか。もう少し簡単な魔法から使った方がいい」
「じゃあ、……SMプレイ?」
「待て、アルヴィン! どこでそんな言葉……しかも、なんで今の会話からそうなる!?」
いや、だってなのはさんが……と呟きかけた少年は慌てて口を閉じる。なのはさんって確かビーム使う前に、敵相手に縛りプレイしていなかった? ぐるぐる巻きにしていた気がするんだけど、と超あやふやな記憶から思考する少年。アルヴィンの中にある魔法のイメージに、彼は冷や汗を流した。
「いいか、魔法はきちんと教えてもらいなさい。絶対に1人で使おうとしない。……あぁやっぱり心配だ」
「だいじょーぶだよ」
「その自信はどこから来るんだ」
子ども相手に少し熱くなりすぎたかな、と思いながら男性は嘆息する。しかし、少年はにこにこと笑みを浮かべていた。自信ありげに伝えたのは、何も根拠がなくて言った訳ではない。転生云々もあるが、なによりもアルヴィンの周りには魔法に詳しい人が多いことが要因だった。
「みんな教えてくれるでしょ?」
「……まぁ、事故が起きたらまずいからプレシアが教えるだろうが」
「ん」
「ん?」
突然アルヴィンに指をさされて、戸惑う。人に指をさしてはいけないと今教えるべきか、とちょっと悩んだ。
「教えてくれるでしょ?」
再度同じ言葉を投げかけられ、ようやくこの少年のいう『みんな』に彼自身も含まれていることに気付いた。もう子どもたちに会えるのかはわからない。だから最後のお願いだと思ったからこそ、アルヴィンの願いを聞き入れてあげようと考えたのだから。
「アルヴィンそれは…」
「プレゼントの使い方は、作った本人がいちばん知ってる。もしかしたら、壊しちゃうかもしれない。だから、魔法と一緒に教えてね」
「もう会えるかはわからないん
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