第七話 Memory
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すぐに攻撃に移る!
「じゃあな零式!」
こちらへと攻撃を仕掛けようと、走ってきた零式に、横切りの一閃を放つ!
『く……! 逃げろ……玖渚! 宵闇!』
そんな言葉を残し、零式は体力が0になり、消滅する。
これで、残るは宵闇。
一対一なら、負けはしない!
そう思っていた直後。
「……アルス!」
隣から声が聞こえたかと思うと。
玖渚が、俺へと向かってバードナセを振るってきた!
「ッ!? 玖渚っ!?」
すぐに俺は大剣で防御するが……。
その瞬間、玖渚のポインターは、オレンジへと変化した。
……まさか、斬りかかってこられるとは思わなかったな。
「アルス、アンタは慧兄を倒した。 私の兄を、NPCと言えど、倒したんだ……」
「………ああ、そうだな」
俺はそれだけ言って、回復ポーションを使用する。
これでHPはMAX。
今なら、バーサークを使用しても大丈夫だ。
これで、玖渚を抑えられるかはわからないけどな……。
『玖渚、大丈夫、私が守ってあげるから』
そう言って宵闇は完全に俺へとターゲットを決める。
二対一か……。
マジに腹を括るのは、俺みたいだな……!
「う、お、オォォォォオオオオオオオオオオッッ!!!」
バーサーク発動っ……!
『さぁ、行くよ! 玖渚!』
そう口にして、宵闇が斬りかかろうと、そのハガネノオウギを振りかぶる!
だが、その瞬間。
「喋るなよ……」
玖渚から冷たく放たれたその言葉と共に。
宵闇の頭へとバードナセが命中する。
同時に、クリティカルの文字が頭上へと浮かぶ。
『え……!?』
宵闇がそう口にしながら、背後を振り向こうとした瞬間。
「鈴姉の言葉で、鈴姉の容姿で、喋るなよ! NPC!」
玖渚はバードナセを振るい、連続攻撃を仕掛けた。
頭に、胴に、手首に、足に。
流れるような連撃が叩き込まれると同時に、宵闇の頭に、無数のクリティカルの文字が浮かび上がる。
全撃クリティカル……!
唖然としている俺と宵闇を置いて、玖渚は最後の一撃を叩き込み。
「さよなら……」
それだけを、呟いた。
『玖渚……ごめんね……』
宵闇も、そう言葉を放ち、その体を消滅させる。
その後、部屋の壁に、新たな扉が現れた。
……クリアって、ことか。
俺はバーサークを解除し、玖渚と対峙する。
「……どうする? 俺と続きでもやるか?」
俺がかけたその言葉に、玖渚はしばし黙った後。
「いや、いいよ……もういい。 あの一撃で、慧兄を倒したことについては諦めがついたから。
けど、ありがとう。 NPCってわかって、吹っ切れたよ……」
そう言って、玖渚は、うつむいたまま、次の扉へと歩いていく。
そして、扉の前で立ち止まったかと
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