暁 〜小説投稿サイト〜
問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
名の継承
[6/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は全て黒い。

「「「一族に受け継がれしは、忌むべき鬼の名。」」」
「「「一族が得しは、わずかの栄光と、多大な畏怖。」」」
「しかし、それが我らが名の象徴。道を踏み外しし、外道の象徴である。」

何人もの人が同時に言霊を唱え、それに俺が一人で返す。

「「「その名を継ぐことは、すなわち、汝も人を止めることである。」」」
「「「妖と契約し、その加護を得る、陰陽師にあらざる行為成り。」」」
「「「一族の歩みし道は、暗く染まり、一涙の光もなし。」」」
「だがしかし、我にはその道を進む覚悟あり。」
「「「我らには、その道を進みし義務がある。」」」
「「「我らには、その道を守りし義務がある。」」」
「「「我らには、その道を背負いし義務がある。」」」
「であれば、我もその一端を担おう。新たに道に踏み込み、わが身を染め上げよう。」

だんだんと、俺の和服も黒く染まっていく。

「「「汝、一族の業を背負う覚悟はあるか。」」」
「愚問成り。我、覚悟を持ってここに参上す。」
「「「汝、一族の責務を背負う覚悟はあるか。」」」
「愚問成り。我、覚悟を持ってここに参上す。」

そして、俺の和服が真っ黒に染まると、言霊を唱えるのは俺と父さんだけになった。

「我が名は一輝。一族の歩みし道を照らす者成り。」
「我が名は星夜。一族が歩みし道に、一時の輝きを与えるものなり。」

名の意味を唱え、継承は最後の一節に入る。

「汝、今ここに」
「我、今ここに」


「「大いなる鬼道の名を継承せん!」」


継承は終わり、俺の和服は完璧な漆黒に染まった。
黒よりも深い、無の色に。

「これで継承は終わりだ。」
「OK父さん。これで、皆を守る力が手に入った。」

次いつここに来るのか分からないし、少しくらいは話をしておこう。

「にしても、あそこまで継ぐことを拒否していた一輝が鬼道を継承するとは。」
「あれだって、本気で言ってたわけじゃねえよ。何かきっかけがあれば、いつでもこうなってた。」

これは間違いない。でなければ、とっくに陰陽師なんて止めてる。

「なんだか、オマエが継承したときと似たような流れじゃのう、星夜?」
「おとうさま・・・」

へえ、この人が俺のじいちゃんか。始めてみるな。

「確かオマエも、友を救うために継承を望んだのではなかったか?」
「言われてみれば、そうでしたね・・・懐かしいです。」
「へえ、父さんもだったんだ。」

まあ、意外ではない。何せ、片思いしてたころ母さんを助けるために命を賭けた人だ。

「それより、名を継いだもののみに知らせることがある。早く初代様のところに行くといい。」
「そんなことがあるんだ。じゃあ、そこに行く前に一つだけ言わせてくれ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ