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問題児たちが異世界から来るそうですよ?  〜無形物を統べるもの〜
名の継承
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はずがないだろう!」
「だったら、どうして、」
「でも、それくらいは十六夜も分かってた!勝てるはずがないと分かった上で、俺にお前を託したんだぞ!」

黒ウサギは俺から手を離し、頭を抱えてしゃがみこんだ。

『黒ウサギを連れて逃げろ!』『皆を頼んだ。』俺は確かに、アイツからそういわれた。
そうである以上、俺は皆を守らなくちゃならない。
だったら、嫌われ役も俺の役目だ。

「黒ウサギ、俺のことはどれだけ恨んでくれてもかまわない。でも、お願いだからあいつの思いを無駄にしないでくれ・・・」

偶然にも、外道である俺は嫌われ役になれている。おあつらえ向きだろう。

「・・・お兄さん・・・」

ヤシロちゃんは俺の手を握って首を横に振っている。
気付けば、他の三人も俺の近くに来ていた。優しいな、四人とも・・・気を抜いたら泣き出しちゃいそうだ。

「・・・ねえ一輝君。十六夜君は、その・・・」
「・・・死んだのを見たわけじゃない。もしかすると、逃げ切ったのかもしれない。・・・でも、あの重傷じゃ・・・」

飛鳥は俺が言わんとすることを理解してくれたらしく、「そう・・・」といってうつむいた。

「悪いんだが、正直こうしてる時間も惜しい。アルマ、何かあの龍を抑える方法はないか?」

そして、俺はアルマに近づき、小声でそう質問した。
アルマも俺に合わせてか、小声で耳打ちしてくれる。

『そうですね・・・元々、あのような魔王に対抗するためにおのれの霊格を開放して試練と化す神魔の秘奥・・・それが“主催者顕現”です。』
「なら、“主催者顕現”さえあれば、あの龍を倒すことも?」
『理屈上は。ですが、試練の食い合いになるわけですから、あの魔王に対抗しようと思えば、それこそ最強種クラスでなければ・・・』
「そうか・・・」

・・・なら、あれ(・・)を試してみるだけの価値はあるな。

「・・・兄様、何かするおつもりですか?」
「やっぱり、スレイブにはバレちゃうか・・・」

前に聞いたが、スレイブは俺の剣として契約したことにより、俺の感情を少し感じ取ることができるらしい。

「そのために、少しばかり意識を沈めるから、何かあったら起こしてくれるか?痛みを与えるか、何か精神的に動揺するようなことがあれば起きるから。」
「・・・分かりました。御武運を。」

そして、俺は意識を沈めて、檻の中へと繋いだ。



      ==============



さて、久しぶりに檻の中に来たな。

「本当に、久しぶりだのう・・・で、何のようじゃ?」

声が聞こえたので振り向くと、そこには案の定ぬらりひょんがいた。

「分かってることを聞くなよ・・・ちょっと力が必要でね。継承しに来たよ、鬼道の名を。
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