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セカンド=ラブ
第四章
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 そうして二人でデートをしているうちにだった、日曜に二人で映画館に行った帰りに。
 彼は私にだ、こんなことを言った。場所は駅前だった。
 もう夕方で周りは赤くなっている。夕暮れの人が行き交う中でだった。
 彼は私に笑顔でこう言ってきたのだ、その言葉は。
「ちょっといいかな」
「いいかなって?」
「ここじゃ人が多いね」
 ふと立ち止まって周りを見ての言葉だった。
「だからね」
「ちょっとよくわからないけれど」
「キスとか。していいかな」
 顔を真っ赤にさせてきた、夕暮れの中でその赤い夕日よりもその顔を真っ赤にさせて。
 彼は私に言って来た、そのうえで私に言って来た。
「駄目かな」
「キス?」
「うん、キスね」
 それをだというのだ。
「していいかな」
「ええと、それは」
 私も彼のその言葉を受けて顔が真っ赤になったことがわかった、キスなんてしたことがない。だから余計にだった。
 けれど彼の私への気持ちがわかっていたから、私は彼に顔を真っ赤にさせながらもこう答えた。
「ちょっとね、ここじゃ人が多いけれど」
「いいの?」
「ええと、そうね」
 ここで駅前の周りを見た、するとだった。
 右手に百貨店が見えた、その百貨店も私達がデートに行った場所だ。その屋上ならだった。
「あの百貨店の屋上なら」
「ああ、あそこだね」
「人気があまりないし」
 特に今の時間は。屋上は色々と遊ぶ場所があるけれどそれでも全部子供用で夕暮れになると子供がいなくなる、それにムードもあった。
 だからだ、私は彼にこう言った。
「あそこに行こう」
「それであそこで」
「あそこならいいから」
 こう彼に答えた、すると。
 彼も私に微笑んで答えてくれた。
「じゃあ今からね」
「うん、屋上に行こう」
 私も微笑んで応えた、そしてだった。
 私達は屋上ではじめてキスをした、それが終わってから彼は私をいつも通り私の家の前まで送ってくれた。これが私のファーストキスになった。
 この日から私達の交際はさらに深いものになった、私はこのことをまた愛菜に話した。キスのことは隠したけれど。
「本当に今度は全然違うから」
「みたいね、二度目だけれどね」
 それでもだとだ、愛菜も私に笑顔で返してきた。
「まるで本当の恋愛をね」
「それを見つけたっていうのね」
「ええ、そう見えるわ」
 こう私に言ってくれた。
「初恋っていうか。違う感じかしら」
「二度目だけれど」
「本当の恋愛っていうのを知ったっていうかね」
「そうかもね、それならね」
「それなら?」
「このままね」
 私も笑顔で愛菜に答えた。今私達は二人で学校の中庭のベンチに並んで座っている。周りは学校の皆がいて空は青い。
 その青い空を見上げてだ、私は言った。

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