オリジナル/未来パラレル編
第37分節 アクシデント
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
黒影トルーパー隊の指示で、隊列が組まれる。
一列7人くらいの7列。龍玄が1列目、ナックルが2列目、月花が4列目、鎧武が7列目だ。平均キック力が同値になるよう割り振られたため、同社といえども同じ列には並べなかった。
待機していると、凄まじい爆音と爆風が月花たちに降り注いだ。
大樹の根元の爆破が終わったのだ。
それからさらに待つと、反対側の月花たちでさえ視認できる巨大なクラックが縦一文字に開かれた。これがチューリップホッパーの最長クラックを一ミリ違わず繋げたものだと誰が信じよう。
(さすが呉島さん。ヘキサと光実くんのお兄さんだわ)
1列目のアーマードライダーが溜めの姿勢を取った。指示はライドウェア搭載のインカムから流れるから、そこに指示が入ったのだろう。
前方から「スパーキング!」のベルト音声が幾重にも聞こえた。
月花はこっそり祈りの手を組んだ。
(光実くんに何事もありませんように。ザックくんに何事もありませんように。紘汰くんに、何も、ありませんように)
1列目のアーマードライダーがジャンプした。そのまま逆フック型を描くように大樹へと向かい、7人分のライダーキックが惜しみなく大樹の幹に叩き込まれた。その威力たるや、先の大樹の根爆破で襲った爆風より強いソニックブームが視えたほどだ。
だがこれだけでは、幹はビクともしない。
すかさず2列目のアーマードライダーが大ジャンプした。ナックルの姿も見えた。彼らも1列目のアーマードライダーがしたようにライダーキックを幹の同じポイントに叩き込んだ。
3列目も大ジャンプしてライダーキックを決めて着地したが、それでも幹に変化はない。
《第4列、構え!》
ついに月花のいる4列目に番が回ってきた。月花は自身のベルトのカッティングブレードを拳で3回叩き落とす。
《 ドラゴンフルーツスパーキング 》
左右からもそれぞれの果物の名で「スパーキング!」と音声が上がった。
《てぇー!!》
月花含む4列目のアーマードライダーたちが飛び上がった。
(絶対、ぶち倒してやる!!)
7人分の足裏が幹に着弾した。ズドン、と重い音。この列はキック力が平均で約9トン。単純計算で60トンを上回るダメージを大樹の幹に与えられるはずだ。
『うおおおおおおお!!』
雄叫びが重なる。月花も腹の底から絞り出すように叫んでいた。
メリメリメリ……
幹から不吉な――月花からすれば小気味よい音が。
ついに根が地上から浮いた。倒れる前兆だ。
『やっ……』
上からも下からも歓声が上がりかけた時だった。
幹が、折れた。
『――
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ