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FAIRYTAIL転生伝 〜 黒き魔王は妖精と共に 〜
第二話『気づいたら奴隷ライフ』
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すがに八歳の体でこの労働はきついな。とそこへ、


「きゃあ!?」

ガシャアァアアン!!

「あん?」

可愛らしい悲鳴とともになにかが崩れる音がしたのでそちらをむくと、辺り一面に広がる建材と、そのなかで尻餅をついている俺と同じくらいの女の子がいた。どうやら積まれていた建材を崩してしまったようだ。


「貴様!なにをやっている!!」
「ヒッ!?」


それを見た監視役の神官が怒鳴りながら少女に近づき、少女がその神官の形相に小さく悲鳴をあげた。


そんな少女に神官はムチを振りかざす。


ピシィ!
「ッ!?」


突然の痛みに少女は顔を歪めるが、神官はそんな少女の様子に構わず、さらに打ち続ける。


ピシィ!ピシィ!ピシィ!

「なにをやってるんだ貴様は。貴様のせいで儀式に遅れたらどうする!!」

ピシィ!ピシィ!ピシィ!

「ご、ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」


少女は泣いて何度も謝るが、神官はムチを振るうのをやめない。神官の顔にはどこか少女にムチを思う存分振るうこの状況をどこか楽しんでいるふしを感じられた。


・・・神官が仕事に失敗した奴隷に懲罰と称してムチを振るう。ここではさほど珍しくない光景だった。

絶対的上位にいる神官に奴隷は抗う術はない。なので年端もいかない少女が非道な暴力に晒されても助けるものはいず、神官の気がすむのを待つしかない。


なので誰も少女を気にするものはいなかった。あたかもそれが当然の光景のように誰も見ようとしない。


俺も普段なら彼らと同じように振舞っていただろう。下手に助けたりしたら自分に被害がきてしまうこともあるからだ。


だがそのときは違った。


なぜなら恐怖に彩られた少女のその顔が、あいつ(・・・)の顔と重なってしまったから。


(マリア・・・)


もう会うことのできない、前世の妹の顔と。

そう思ったらもう我慢することができなかった。

「・・・ああ、くそッ!」

俺は走ってその少女と神官の間に入り、神官のふるうムチをその背中で受け止める。


「ッ〜〜〜〜!?!?!かはッ!?」


念のために体の中で一番頑丈だといわれる背中で受けたのだがやはり痛い物は痛い。歯を食いしばっても、思わず口から苦悶の声が漏れる。


やっぱりこればっかりはなんどうけても慣れねえな。まあ慣れたくはないが。


「貴様なんのつもりだ!?」


まあこの神官(ぶた)が怒るのも無理はないだろう。むこうからしたら自分たちより格下の存在である奴隷が神官である自分のやることを邪魔したのだから。


俺はそんな神官の険しいまなざしを無視して口
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