第28話 幕間
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とではある。
アドルフたちの世代は旧自由惑星同盟との戦争が激化していた時期であり、戦争経験は十分に豊富であった。
しかし、今の若手世代の提督たちにその手の経験は少ない。
ロアキアやティオジアとの戦闘経験を持つ者は多くいるが、これらの戦いはほとんど銀河帝国が戦力的に有利であり悪くても互角だ。
第二次ガイエスブルク要塞攻防戦という例外もあるが、銀河帝国側にガイエスブルク要塞があることを考えれば互角かやや有利だったといっても良いだろう。
ともかく、若手世代の提督たちが実戦の経験不足なのは否めず、それらをどう解決していくかが今後の課題といえた。
* * *
――???――
「前方にワープアウトしてくる艦影あり」
「ん、どこの船だ?」
「1隻ではありません艦影多数! 数……えっ!?」
「どうした?」
「数、10000隻以上!!」
「10000隻だと!」
「あ、あれは・・・・軍です!」
「ちぃ、至急本国に連絡を入れろ『遂に・・・・が牙を剥いた』とな」
宇宙暦815年/帝国暦506年8月10日、銀河のとある場所で1隻の偵察艦が撃沈された。
この出来事が巡り巡って銀河帝国まで辿り着くとは、このとき誰も予想し得なかった。
* * *
――宇宙暦816年/帝国暦507年 5月5日――
この日、ルフェール共和国にて宇宙艦隊の銀河帝国領出兵案が可決された。
――2年前、ミンディア星域会戦の敗戦責任を取って当時の政権は総辞職したが、代わって後を継いだ新政権はいきなり難問に直面することになる。
辺境十三国の尽くが銀河帝国に呑み込まれたため、これらの国々との貿易が途絶。
これが原因で多数の企業が倒産し、リストラの嵐が吹き荒れ、失業者が増大してルフェールは大不況に陥った。
新政権は雇用対策として若者を軍隊へと雇い入れる。
もちろん、これには『ミンディア星域会戦での損失兵員の補充』という裏の事情もあった。
だが、軍というものは膨大な金食い虫であり、軍それ自体は何も生み出さないという非生産的な存在である。
結局のところ、この政策はその場しのぎでしかなく、数年経てばその影響が目に見えて現れて来るのは必然と言えよう。
逆に軍備を削って経済再建の為の費用を捻出するという案もあったが、それでは銀河帝国に対抗できないという至極真っ当な意見の前に沈黙するしかなかった。
とはいえ、このような状況下では経済と軍備の両立など到底不可能である。
どちらかを優先すればもう一方が割を喰うのは至極当然であるのだが、新政権はどちらを優先するか決めきれず両立という最も選んではいけない選択をしてしまった。
案の定、時間の経過とともに状況は刻一刻と悪くなり、自然と
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