暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第14話「アイリスの過去」
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
は泣きそうな表情でクリスの背中に隠れる。
キリシマは表情を変えなかったが、左手に持っていた日本刀の鞘を強く握り締めた。

そんな視線を向けられたベリアルは、冷や汗をかいて押し黙った。

「あははは、皆そんな引かないでくれよ。ね?」

そう言うと、アルバートはいつもの穏やかな笑顔に戻った。

「アルバートさん、本気で怖えぇぇ………」

「どの悪魔よりも怖いわね、アルバートさんの眼……」

「アルバートさん………怖いよぉ………」



「さ、さあ、気を取り直して仕事の話をするよ」

すると、アルバートは大聖堂のテーブルからファイルに入れられた資料をそれぞれのペアに渡した。

「そのファイルの中に、目的地と討伐対象の情報が入ってる」



「それじゃ………行ってらっしゃい♪」


アルバートの言葉とともに、悪魔狩り達は大聖堂を出てそれぞれの目的地へ向かった。














大聖堂にいるのは、アルバートとベリアル、そして"フラン"の帰還を待つクリスだけになった。
クリスは2階で荷物の整理を始めていた。

「しかし……驚いたよ。俺が人間に恐怖を覚えるなんて………」

ベリアルの言葉に、アルバートは穏やかな笑顔で返事を返す。

「そう? まぁ、あの子が信じて連れてきたから、裏切るってのは許せないんだ」

「………………それほどに、あのアイリスって奴が大切なのか?」

ベリアルの質問に、アルバートはしばらく黙り込んだ。





「大切というか…………放っておけない、かな?」

「…………?」

「あの子、小さい頃に"悪魔の末裔"だって言われて、酷いことされたらしくてね………クリスがアイリス
をここに連れてきた時は驚いたよ………身体中傷だらけでね………」


「………………何があった?」

「アイリスの生まれた所はね………十字教の信仰が厚い場所だったんだ。それであの銀髪でしょ?
"神の敵"である悪魔の子だって呼ばれて、そこの神父に捕まって…………」

そこでアルバートは黙った。
そして、大聖堂のテーブルに置いてあった古い本をベリアルに見せた。


本には"悪魔の末裔とその歴史"と書かれていた。

アルバートはページをめくり、あるページで手を止めた。
そのページをゆっくりと音読し始めた。












"人間と悪魔は相容れない者同士だ"


"神を崇める人間は悪魔を嫌い、神を憎む悪魔は人間を嫌う"


"しかし、全ての人間と悪魔が同じ考えというわけではなかった"


"悪魔を崇める人間もいた………"


"人間を好いた悪魔もいた………"


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ