暁 〜小説投稿サイト〜
とある物語の傍観者だった者
4話:不幸少年
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 誰が犯罪者だ!

「いや、あんなもん見せられて気にしない方がウソよ」

 そこまで派手にやったつもりはありませんが??

 黒子は一瞬オレを睨んでとてもめんどくさそうな顔をする。

「ちょっと、あんた、今あの清掃ロボットに何をしたのよ??」

 ほら、めんどくさ。そして、年上に敬語も無しであんた呼ばわり。だが、それが良い。

「何ってちょっとした平和活動さ」

「どこが平和活動ですの」

 白井黒子ちゃん、君もいちいちツッコんでこない。

「同じ電気系統の能力者として興味があるわね。私のソレではハッキングするのに少し手間掛かる上にあそこまで精密に操作することなんてできないわよ、たぶん」

 そもそも操作じゃないんですけど。

 機械を操るってだけならこの子もできる芸当だろうけど、やっぱり本質は違うと思う。

 そして、それをいちいち説明する義理もない。でも、説明しないと納得しそうにない雰囲気。故にめんどくさいな、もう。

「オレの能力に関してはそこのお嬢様が知っているのですの。そっちから聞いたらいいですの」

「それはわたくしをバカにしているんですの??」

 何のことやら……

「つーか、君はお嬢様学校に通っているのに礼儀知らずだな」

「なんですって?」

 あぁ、いらんことまで口から出てしまう。本心だけにオレの性格もめんどくさいが……

「そもそも、見ず知らずの他人に自慢して手の内をバラす真似はしたくない。それも今会ったばかりの他人な君が、いきなりオレをアンタ呼ばわりしては年下なのにオレに敬語でも無く……いや、敬語はともかく、自分が誰なのかも自己紹介もしないのに一方的に突っかかってこないで欲しいな」

「わ、悪かったわよ。じゃあ、自己紹介したら教えてくれるのね?」

「いや、オレは君に興味無い。だから自己紹介する必要もない」

「黒子、こいつを丸こげにしていい??」

「それは了承しかねますの」

 好戦的なこのお嬢様。おぜうさま。

 なんで喧嘩を売る真似を互いにするんだろうか……

「……オレは直感的に君がオレの苦手なタイプだと悟った。なので、これにてドロンする」

「あ、逃げるんじゃないわよ!!」

「お待ちになって、近簿さん!! 逮捕しますわよ!!」

 誰が待つものか。

 オレはあの子とだけは関わりたくないと心の底から願っているんだから……

 御坂美琴―――常盤台の頂点に君臨するお嬢様。学園都市に7人しかいないレベル5の超能力者。

 超電磁砲(レールガン)の異名を持つビリビリお嬢様と、オレはこの日、出会ってしまい……もうそれが、事件に巻き込まれるフラグが立った気分だった。
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