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ゲルググSEED DESTINY
IF ゲルググSEED
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ていたナスカ級では、出せる速度が同じ程度であっても一度距離を突き放してしまえば追いつくことは難しい。ましてや空気抵抗などによる減速のない宇宙空間では慣性と自身の推力によってそうそう追いつくことの出来ない速度となる。
デブリとの衝突の危険性もあるが、装甲の厚いアークエンジェルならナスカ級と比べ、小規模のデブリを無視して進むことができた。

「アルテミスで補給?確かに月や地球に直接行くよりは建設的な意見だけどねぇ」

クルーゼ隊との戦闘後はどこを目的地とすべきかを話し合う事になった。物資をヘリオポリスで補充したと言ってもそれは民間レベルでの話。水や食料は何とかなっても軍の物資は足りていないものが多い。
今はまだ大丈夫だが、この先も戦闘が続くことになれば弾薬や燃料、損耗部を修復するための部品が足りなくなる。

「でも、あそこはユーラシア連邦の基地よ?それにあそこは主戦場からも離れてるから物資も限られてくるでしょうし……そう簡単に補給が受けられるとも思えないわ」

「しかし、彼らも同じ地球連合の兵士です。我々の存在は重要なものであることは向こうにも分かるはずです。であれば物資を譲らないなどという事はないと私は思います」

艦長であるマリューと副艦長のナタルの意見は分かれる。クラウは自分に決定権はないからとどちらの話を支持するということもなく、ムウもこういった事は専門ではない為積極的に意見を出す事はない。
結局、二人の意見は水も食料も十分あるという事からアルテミスではなく味方艦隊との合流を目指すことになった。

結果としてヘリオポリス崩壊やデブリ地帯での補給を行わなかった彼らは脱出ポッドを拾う事が無かった。その為、現在この艦にはフレイ・アルスターもラクス・クラインも乗っていない。
それが大きく運命を変えることになる。ラクス・クラインを強行偵察型ジンが確保したことによって政治的なプロパガンダや奪取した機体のデータを持ち帰るためにアスランを含めたフリゲート艦であるガモスは一時プラントへ帰還することになったのだ。

「足つきを追えるのは速度から考えてヴェサリウスだけだ。この宙域は我々ザフト側の支配地域でもある。ガモス単体でもプラントに帰投する事ぐらいは出来るだろう」

「クルーゼ隊長、その……」

アスランはキラの事について話すべきか否かを悩む。かつての親友――――だが、彼は今、敵として自分たちの前に立ちふさがっている。ナチュラルに騙されて良いように使われているだけではないかと思いつつも、自分がそう主張したところでキラがこちらに味方するわけではない。

「なに、足つきは我々が仕留めるさ。君は自分の婚約者の心配をしておきたまえ」

「……はい」

そうやって思い悩んでいるうちにクルーゼに足つきを仕留めると言われてしまう。
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