第四話
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ま、妹紅の視界から消え去っていった。
ふみ江が消え去った後、妹紅はしばらく無言のままその場に立ち尽くしていた。だがさっきのように現実逃避をしているわけではない。最後の別れと彼女の思いを深く感じながら、彼女と過ごした日々を思い出していた。
「ふみ江……うああああああああああああああ!!」
妹紅は我を忘れたように泣き叫ぶ。その声は山にいた妖怪たちすべてに聞こえるほど大きいものだった。
「これが……私が頭を切り落とされることに恐怖を感じるようになった原因だ」
過去話を終えた後、妹紅は悲しそうにしたままそう言った。
「……ごめん。なんか悪いこと聞いちゃったかな……」
「いや、別にいいんだ。隠すことでもないから」
妹紅はそう言った後、ふみ江と別れた後の話もしてくれた。
正直なところそこから先の記憶はほとんどないらしい。元に戻った日常を過ごしているうちに妖怪と戦うことも嫌気がさした妹紅は、ただ歩いたり食料を調達して過ごしていた。それから人間にも忘れ去られた彼女は、幻想となって幻想郷に流れ着く事になったらしく、そこで彼女の父親に恥をかかせた張本人の輝夜と再開する。しかし輝夜自身も蓬莱の薬で魂の存在となっており、不老不死として生きてきた彼女達は共感出来る部分もあったのだろう。それでも妹紅は輝夜との因縁をはらすべく戦いを挑むことになり、それが彼女の生きがいとなったのかもしれない。それに幻想郷に来てからは人里ともコミュニケーションが始まり、慧音という理解者もできた。彼女にとっては今が一番充実しているのだろう。
「あれ以降ふみ江の事を忘れたことはない。でも、もう悲しんだりはしてないよ」
「そっか……」
俊司はなぜか安心したように溜息をついて表情を和らげていた。さっきまで悲しそうにしていた妹紅ももうそんな顔をしていない。前を向いて自分のやるべきことを見ているようだ。
そんな中二人の背後にあった部屋のなかで、着物を着た黒髪のロングヘアーの少女が静かにその話を聞いていた。
「ふーん、あんたにもそんな過去があったのね?」
「えっ……?」
急に二人の背後から女性が声をかけてくる。その声を聞いた妹紅はなぜか青ざめていた。
「あんたもつくづく不器用なのね?」
そう言って部屋から出てきたのは、妹紅のライバルとも言っていい輝夜だった。
「かっ輝夜!?」
「なーに驚いてんだか。言っとくけど盗み聞きしてたわけじゃないから」
と澄まし顔で言っている輝夜だが、どうせ妹紅をからかおうと思って盗み聞きをしていたのだろう。思ったよりも話が深くて何を言ったらいいかわからないらしく、少し困っているようだった。
「うるせえ! 盗み聞きしてたんだろ!?」
妹紅は顔を真っ赤に染め上げていた。一番聞かれたくない相手に聞かれてよっぽど恥ずかしいのだろ
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