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SAO─戦士達の物語
MR編
百三十四話 神速の剣戟
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「アスナ、絶剣と戦うんなら……」
「え?」
と、其処まで言って、キリトは口ごもった。少しだけ考え込んだ後に、彼は何故か歯切れ悪く言う。

「えーと……うん、いや、強いぞ?ホント」
少しだけ、キリトは迷っていた。何を言うべきかは何となくわかるのだが、今一、其れをどう伝えた物かが上手く言葉に出来ない。
と言うのも、キリト自身、自分が考えている予想に確信は無いのだ。ただ彼の一VRユーザーとしての、そして剣士として生きて来た数年間の直感が、そう予見しているだけの話だから。
もしこれをまことしやかに聞かせてしまうと、アスナ自身のそう言った感覚を阻害してしまうかもしれない。そう思うと、今一自分の考えを直接的に話す気になれなかった。

「強いのはリズ達から十分聞いたよー。そもそもキリト君でも勝てないくらいだもん。私が勝てるとは思えないけど……でも正直ちょっと信じられない位だなぁ……キリト君が負けちゃうなんて」
少し悪戯っぽく笑って言ったアスナに、キリトは苦笑する。

「いや、今はもう俺より強い奴なんて沢山いるって。まぁ、絶剣はそれでも別格だったけどさ」
まぁ、キリトとしても元トッププレイヤーとして其れなりに意地と言うか、自負と言うか、そんなような物はあるので、其れなりにプレイヤーとしては鍛えてはいるが、それでも既にこの妖精卿には自分よりも実力あるプレイヤーはポンポン居る筈だと思っていた。
そう思っていると、不意にアスナが思いだしたように空……は見えないので、100m上の天井を見上げる。

「絶剣と何か話してたみたい。って皆に聞いたけど、キリト君何話してたの?」
「あぁ、いや……」
アスナの問いがつい先ほどまで言うか迷っていた部分を聞かれてしまって、キリトはまたしても言葉に詰まる。

「ちょっとだけ、気になった事が合ってさ、聞いたんだ。君は、完全にこの世界の住人なんだなって」
「……?完全に?どう言う事?凄い廃人プレイヤーとか?」
「あー、いや、そう言うのとは少し違うんだ。ただ……このALOの事を指して言ったんじゃなくてさ、《フルダイブ環境》って言う世界(システム)そのものの住人。そんな感じがしてさ」
そう言っても、アスナにすぐには分からないだろう事は分かる。
実際彼女はキリトの言葉を聞いて、ますます首を傾げただけだった。

「……どう言う意味?」
「うーん……やっぱり駄目だ。これを説明するのは、少し難しいな……できれば、アスナ自身の感覚で彼女の事は感じてみて欲しい」
「?うん……」
頬を掻きながら苦笑して、キリトはアスナの神を軽く撫でる。アスナにしてみると彼が何を言いたいのか今一よく分からなかったが、こう言う謎めいた事をキリトが言う時は必ず何かしらの意味がある。彼が言うのなら、其れは意味のない言葉等では無
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