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とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第8話 れいあ!
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 遠くで剣戟の音が聞こえた。ウェルドは口を噤む。パスカが廊下の奥に顔をやった。
「おい……今の何だ?」
「どうしたの?」
「悪ぃ、シャルン、静かにしてくれ……剣の音が聞こえたんだ」
「えっ……?」
 今度ははっきりと、全員の耳に女の悲鳴が聞こえた。
 緊張が六人の間を駆け抜ける。
「助けに行かなきゃ! パスカ、どこから聞こえたの!?」
 シャルンが槍の鉾を鞘から外した。
「待ってくれ。今見当つけるから」
「ちょっと待って! あなた達、本気で助けに行くつもり!?」
 ノエルが本を抱きしめていきり立つ。
「善人ぶるのもいい加減にしたら! クムラン先生は、この入り口に潜む魔物はまだ相手にするべきじゃないって――」
「そういう話は後にしてくれ、今は声の出所を探すのが先だ」
「行ってどうするのよ! 先生が集計した過去のデータと照らし合わせても、あたし達がインディゴスに勝てる見込みはかなり低いわ!」
「ノエル、お願い、黙って」
 シャルンが遮る。パスカは並ぶ入口を順に回り、中の音を探っている。
「だ、大丈夫かな……」
 サラが心細そうにウェルドのそばで囁いた。
「シッ。パスカの耳を信じろよ」
「ここだ!」
 七番目の入り口の前でパスカが振り向き、言った。
「まだ剣の音が聞こえる! 生きてるんだ!」
「ほんとに、本気なの――!?」
 ウェルドは、ここまで連れ立ってきたアーサー、サラと共に、パスカのもとに駆け寄った。
「戦うつもりはねぇよ。誰だか知らねえが、助けたら速攻で逃げるぜ」
「そんなにうまくいくわけ――」
「話は後だ。ウェルド、先に行くぜ!」
「そんな――待って、ウェルド、待って――あなた達そんなに死にたいの……?」
「死んじゃうかもしれないし、死なないかもしれないわ。でもそんなのって、やってみなければわからないじゃない!」
「やらなくてもわかるわよ!」
「よう、ノエル。クムラン先生の話なら、勝てる見込みは薄い――つまり皆無ってわけじゃねえんだろ? 勝った奴もいるって事さ」
 ウェルドは闇に身を浸した。
 外からは暗闇だった入口の向こうも、一歩足を踏み入れれば、中の様子を見る事が出来た。
「大丈夫か!」
 パスカが石の広間を奥へと走って行く。
 そこには台座に載せられた二体の騎士の石像。奥には細い石柱のような檻が立っていた。
 檻の向こうの空間に誰かが閉じこめられている。
 その人物を確認し、ウェルドも、パスカも絶句した。
「レイア……?」
「ウェルドさん、パスカさん、大丈夫ですか!?」
 サラとアーサーが飛びこんできた。
「レイア! ……くそう、この檻はどうやって壊せばいいんだ!」
 アーサーが檻を掴み揺さぶる。檻の向こうに座りこむレイアが、肩の傷口を押さえながら口を開けた。
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