生い茂る植物
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グに降りていくと、準備万端といった様子で沙羅が座っていた。
遠足に行く前の子供か、お前は。
「朝食はどうするんだ?」
「たまには外で食べようよ」
「あー……まあ、そうするか……」
……と、いうことになったのだが朝食を食べ、デュエルディスクを買ったところで沙羅の同級生という男子に速攻絡まれた。
「おい、デュエルしろよ」
「蟹に謝れ」
人の迷言を盗るなんて最低なやつだな。まだ未来の人なのだが。
「蟹?……とにかく、俺とデュエルしろ! 俺が勝ったら尾上さんはもらっていく!」
「失礼な人ですね……。マスター、やっちゃってください!」
「……面倒くさい」
なにが一番面倒くさいのは、デュエルすることでも妹がわざとらしく俺の後ろにいることでもない。もちろん、エアトスが騒いでいることでもない。面倒くさいのは野次馬の中にTFキャラクターであるレイン恵がいるからだよ!
TFを知らない人に説明をしておくとレイン恵は無口無表情なクールキャラで、その実イリアステルの部下という設定を持っているのである。
まさか、俺がシンクロモンスターを持っていることを嗅ぎ付けたのか?……と冷や汗を流すと、なにを勘違いしたのか沙羅の同級生が勢いづいた。
「はっ、どうせお前のデッキは弱いんだろうな?」
「……試してみるか?」
現代のガチデッキが弱いと?面白いことを言う。
「ふっ……ならさっさと片付けて尾上さんとデートするんだ! デュエル!」
「……デュエル」
展開が早過ぎてついていけないが、いい機会だ。ソリッドビジョンありのデュエルを試してみるか。……野次馬が多いのはいただけないが。
後ろで騒いでいるエアトスは少し黙れ
「俺のターン! ゴブリン突撃部隊を召喚。カードを一枚伏せて、ターンエンド!」
「俺のターン、ドロー」
フィールドから見るに、伏せカードはスキルドレインか強制突撃命令のどちらかだろう。他の可能性も……なくはないが、一番高いのはその二つの可能性だ。
だが、そんなことはどうでもいい。今重要なことはソリッドビジョンのリアル感だ。とても素晴らしい。遊戯王がすべての中心になるのもわかる気が……しなくもない。
「永続魔法、世界樹を発動。モンスターを裏守備で召喚し、カードを二枚伏せてエンド」
俺の後ろに巨大な木が生えてきた。これが世界樹……めちゃくちゃ邪魔である。枝が前にもあるから見にくい。
「俺のターン、ドロー! ジャイアント・オークを召喚する!」
「残念だが、この瞬間激流葬を発動。フィールド上のすべてを破壊する」
流れに巻き込まれ、ジャイアント・オークとゴブリン突撃部隊。あと俺の裏守備モンスター、ダンディライオンが破壊される。
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