03Entsch?digung
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れなくなる」
驚く夕璃は口を開けて呆けている。
「マスターに、死んでほしくない」
ストライカーの口から紡がれた言葉に、夕璃は息を飲んだ。
「そんなことか」
だが次に驚くとなったのは、ストライカーの方だった。
「そんな、こと?」
「俺が死ぬなんて些細なこと、ストライカーは気にしちゃだめだよ」
些細なことと、夕璃は平然と言ったのだ。
「ストライカーも叶えたい願いがあるんでしょ? だったらストライカーはそれだけ追いかけていればいいよ。俺はそれを出来る限りバックアップするから」
ようやくストライカーは完全に知った。
夕璃の歪さに。
「マスター、本気で言ってる?」
「俺の命一つで沢山の人が救われるなら、俺はそれでいい。俺の命なんて元々無価値みたいなものだから、失ったところでどう考えても影響はないし」
自分の命を卑下しているというレベルではない。
本当に無価値。存在してもしなくてもいいものだと思っている。
「マスターは、狂ってる」
「狂っててもいいよ。俺はそれで人が救えるならいい。悪事を犯した人も、結局はそうしなければならない理由があったんだ。それなら俺はそれを許す。だって可哀そうでしょ?」
完全に逝かれた考えを持っている夕璃に、ストライカーは悲しみしか浮かばなかった。
「無価値じゃ、ない」
「だって親が死んだ時に一緒に乗っていたのに俺だけ生き残って、保護者となった人にも見捨てられた俺だよ? 何の価値があるのさ」
人生にあったことで既にそう判断してしまっているのだ。
夕璃を救うことは、ストライカーですらできるかわからないほどに。
「こんな話はお終いにしようストライカー。それよりも、今日は星がきれいだね」
自身の命の話を星の話以下と考えるほど、夕璃は歪なのだから。
「マスターは、ダメ人間」
「いきなり酷いなぁ」
ストライカーは立ち上がると、夕璃の頭をぺしっと叩いた。
「でも、大切」
頬を染めて言った言葉に、夕璃は完全に思考を停止した。
「この感情、わからない。でもわかる。大切」
ストライカーは初めて、感情というものを見せた。
「だから、死んじゃダメ」
それに対して夕璃は、考え込んだ。
「できるだけ死なない様には対処してみるよ」
できるだけというところに夕璃らしさがあるが、夕璃もストライカーに対して思うことはある。
勿論恋愛感情を。
「私の名前。教える」
堂々とした態度で口を開いたストライカー。
その真名を知り、夕璃は絶句した。
「驚いた?」
「うん。だって、あの■■・■■■■でしょ? 俺も知ってるよ」
あり得ないほど強いはずのストライカーのことを聞き、夕璃は聖杯戦争で召喚できるレベルだったのか考え込んでしまった。
「一応ストライカーって呼ぶね。ス
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