第二章
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応えてそちらに顔を向けるとそこにいたのは。何と朝に擦れ違ったその娘であった。間違えようがなかった。
「君、ここで働いていたのか」
「はい!?」
だが向こうには認識はないようであった。彼にこう言われてその顔をキョトンとさせたものにさせていた。
「あの、何か」
「いや、別に」
「あれ、社長」
ここで親父がチャンに目をぱちくりさせながら声をかけてきた。
「お知り合いだったので?チュンレイちゃんと」
「別にそうではないけれど」
「だったらどうしてまた」
「いや、実はね」
ここでジョークで誤魔化すことにした。しかしそれが彼にとっても思いも寄らぬ方向へと転がってしまうことになるのであった。
「あまりにも奇麗だったからね」
「おやおや、一目惚れですか?」
「ま、まあそうだね」
言葉の流れでついついこう言ってしまった。これが全てのはじまりであった。
「じゃあ毎日ここに来ればいいですよ」
親父も商売なのですかさずこう言うのだった。こうして固定客を掴んでおくのだ。
「サービスしますよ」
「そうか」
「だったらさ、チュンレイちゃん」
親父はあくまで商売で言っている。チャンの気持ちまでは知らない。
「この社長さん毎日来るから応対頼むね」
「わかりました」
チュンレイと呼ばれた娘は親父の言葉に愛想よくにこりと笑う。しかしどういうわけかその笑った目が吊り上がり気味であった。顔も結構細長いものであった。
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