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チャイナタウンの狐
第一章
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ンは道が入り組んでいるうえに悪名高きチャイニーズマフィアの拠点でもある。実際のところ彼も彼等のことは知っている。しかし彼は別に危ない商売をしているわけではないので彼等との付き合いはない。だがそれでも存在は知っているので警戒はしているのだ。
 行くのは明るい店だった。そこはごく普通の飲み屋であった。チャイナタウンにはよくある中華料理の飲み屋である。少し時間があるとそこに行くことも多いのだ。
「ここにするか」
 そう思って店に入った。店に入ると中国風の店特有の赤い世界が広がっていた。チャイナドレスに身を包んだウェイトレスが店の中を左右に動き回っている。その両手と頭の上にお盆を乗せている。そこには豚の足や八宝菜、それに酒がある。それを黒い木製のテーブルにいる客達に渡していた。
「おや、社長」
 その店のカウンターにいる中年の血色のいい顔の男が彼に声をかけてきた。
「いらっしゃい」
「ああ、暫くだね」
 チャンはにこりと笑ってその男に顔を向けて挨拶をした。
「老酒はあるかな」
「いいのがありますよ」
 こう答えが返ってきた。
「年代もののがね」
「じゃあそれをもらおうか」
「食べ物は」
「そうだね」
 彼に応えながらカウンターに座る。丁度男の前で彼が料理をしている場面も見える。中華鍋とおたまを上手く使って何かを炒めている。

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