第一部 vs.まもの!
第7話 しゅくだい!
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』
ぐれぇ言えねえのか! てめぇっ!!」
「勝手に人の部屋で騒いでおいてよくそんな口が利けるものだ。何故貴様らにそんなへりくだった言い方で退室を願わねばらならん」
「今のへりくだってないよディアス! 全然へりくだってないよ!!」
「言いたい事はそれだけか」
「ああ、これだけだ! これっきりだね! てめぇとは二度と口を利かねえ!」
「ならば消えろ」
「消えるよ! キエエエエエェッ!! ケッ!」
ウェルドはディアスの部屋を出て思いっきりドアを閉めた。アーサーの存在を忘れていた。アーサーの顔面がドアに激突した。すぐまたドアを開けてアーサーが鼻血を垂らしながら出てきた。
「信じられない! なんて人間なんだ、彼は!」
「てめぇのせいだ!」
「僕の!?」
ウェルドは腹いせに、遺跡に潜る時ぜってえに組んでやらねえ奴リストを作ってやろうと思った。まずはこいつだ。アーサーだ。
名前:アーサー=ルイトガルド
出身:ビアストク王国
カルス・バスティードに来た理由:あまりにも人の話を聞かない為、業を煮やした父親によって監獄がわりにぶちこまれた。
「ぶはっ!」
ウェルドはやけくそになって笑った。そのまま体をのけぞらせて高笑いする。
「ウェルド、一体どうしたんだ?」
顔を覗きこんでくるアーサーの背中に手を回し、肩をバンバン叩いてさらに笑う。アーサーも何が何だかわからぬままに楽しい気分になったと見え、二人は肩を組んで廊下で狂ったように笑いだす。
それを廊下の角から見ていたシャルンが
「イヴー、あの二人何やってるの?」
イヴは肩は竦めてみせ、
「さぁて、頭がおかしいんじゃない? 関わりあいたくないわね」
するとディアスの隣の部屋の戸が内側から乱暴に開き、姿を現したレイアが
「私の部屋の前で騒ぐな!」
レイアの正拳突きがベキッと音を立ててウェルドの顔面に沈む。レイアが部屋の戸を閉ざし、ウェルドは無言のまま後ろ向きにばったり倒れた。
「ウェルド!? うわあああああっ! 勇者ウェルド!!」
夏の光と共にサラが笑顔で入ってくる。
「アーサーさん! オイゲンさんに竈を借りてパンを焼かせてもらったの。今から一緒に食べようよ!」
そして廊下の惨状を目撃し、満面の笑顔のまま
「あれ? ウェルドさんどうして廊下で寝てるんですか?」
※
「それで、アーサーとサラと行く事になったのね」
クムランの家に行くと、ノエルが濡れたタオルを持ってきてくれた。
「おう。それで各々装備揃えて一時間後に集合。あと三十分」
「それにしても災難だったわね」
ウェルドは肩を揺すって短く笑う。変に笑い疲れていた……が、嫌な疲労ではない。
数年前の自分には、笑って暮らしているところなど想像もつかなかったのだ。
「やあ
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