第一部 vs.まもの!
第7話 しゅくだい!
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「民が民がって言うけどさ、言っとくけどその民を苦しめてるのは魔物でも病気なんかでもない。あんたたち貴族だよ」
「えっ?」
「あーヤダヤダ! こんな事町の外で言ったら処刑されるのがオチだから言えないけどさ。あんた、気を付けた方がいいよ。とりあえずこの宿舎の外では言わないようにしたら? じゃあね、あたし寝るから」
「お、おいジェシカ! 今から一緒に来ねぇか!」
「いーやーだー! お腹減ってんのにそんな元気な事できるわけないでしょっ!」
残念だ……。
もう少しでこいつを黙らせる事のできる奴を仲間に誘えそうだったのに……。
「そうだ!」
ウェルドはこいつを一発で黙らせる事のできそうな人物を思い出す。
「前に一緒に組んだ事ある奴を誘おうぜ!」
気が向かねぇけど! 激しく気が向かねぇけどっ!
「ディアス!」
椅子に掛けて読書をしていたディアスが迷惑そうに顔を上げる。彼がページの間に指を挟んで本を閉じたので何となくタイトルを見ると
〈人体の急所〉
(何なんだコイツは……)
「何か」
「よう、暇なら今から一緒に」
「ディアス! 僕は君に言いたい事がある!」
「てめぇは黙ってろ!」
「いいや、黙っていられるか! ラフメルの葉の捜索の件だ。君の目的は知らないが、人の命がかかっているんだぞ! 何故あんなに冷たい振る舞いができる!?」
「だぁかぁらぁ! 終わった事ほじくり返しても仕方がねえだろう! 人には人の事情ってもんがだな」
「それでも! 僕には君やレイアが理解できない! 君はそんなに自分が大事なのか!?」
「……」
「だから、パスカも言ってただろうがよ! お前、もし仮にコイツの目的がアッシュと同じ理由だったらどうすんだよ? 今にも家族が死にそうな奴に他人の手伝いを強要できんのかよ?」
「だったら、それならそうと言ってくれれば!」
「……貴様らは他人の部屋で口論をするのが趣味なのか?」
「いや、違うんだよ、俺はな? ただ――」
「ディアス、僕に何らかの誤解があるのなら僕はそれを解きたい! この際君がここに来た理由を」
「だからぁ! やめろって! 今俺たちに必要なのは他人の詮索じゃなくて協力する事だろうがよっ!」
「協力? つまり遺跡探索に誘いに来たと」
「そういう事だよ、どうせ暇――」
「断る。消えろ」
「ぶはっ」
ウェルドも流石に腹が立ち、
「ああっ? てめえ、何だその言い草はよ」
「消えろと言った。聞こえなかったのか。貴様らの存在は非常に不快だ」
「聞こえてるよ! あーあ、聞こえてる! でもよ! モノには言いようってもんがあるだろうがよっ!
『せっかくお越しいただきましたところ誠に申し訳ございませんが、あなた方が大層不快でございますのでお手数ですが消えていただけませんでしょうか
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