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駄目親父としっかり娘の珍道中
第52話 花粉症対策は万全に!
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 耳打ちで語り合う新八と銀時。二人の脳裏に映るフラッシュバック。それはこの後ヘドロの研ぎ終わった包丁にて四人全員細切れにされて鍋の具材にされると言う最悪の図式が其処に映っていた。
「あ、あのぉ……やっぱ良いですわ。あれ結構どうでも良い仕事でしたんで」
「え? 良いんですか。遠慮なさらずとも良いんですよ。お仕事大事じゃないんですか?」
 あくまで控え目に言ってくれるヘドロ。しかし顔はやっぱり怖い。
「大丈夫だよ。今日は仕事なんて全然ない―――」
 なのはが解説をしてきたので即座に彼女の後頭部を平手打ちして黙らせる銀時。だが、時既に遅しだった。ヘドロの耳に仕事がないと言うのがばれてしまったのだ。
「なぁんだ、仕事じゃなかったんですね。すると私事とかですか?」
「え、えぇ……実はあんまり重くなる話題だったんで伏せたかったんですが、実は先ほど父が危篤と言う報せが届きまして―――」
 目元を手で覆って悲壮感を露にしようとする銀時。回りの新八、神楽もそれに釣られて頷いてみせる。だが―――
「あれ? 家に御爺ちゃんっていな―――」
 またしても墓穴を掘ろうとするなのはに再度後頭部に平手打ちを見舞う。これ以上此処を抜け出す手段を潰されたのでは敵わない。
「何ですって! それは一大事じゃありませんか? すぐに支度しましょう! あの、心配なんで僕もついて行って良いですか? 知り合って間もない身ですが、万事屋さんのご家族の安否が心配で仕事にも手がつきそうにないんですよ」
 口元に生え揃った無数の牙がガチガチと噛み合い不気味な音を奏でる。折角抜け出す方法を考え出したと言うのに、どうやらヘドロはついてくるつもりの様だ。そして、挙句の果てにはその危篤中の父諸とも自分達を危篤状態にするつもりなのかも知れない。
「いえ、やっぱ良いですわ! 実は家の親父かなりのDV親父だったもんで、俺も家族全員大迷惑してたんですわ。もういっその事くたばってくれたらせいせいしたなぁ、何て思ってたんですよマジで」
 身振り手振りで誤魔化す銀時。しかしそろそろ限界だった。これ以上誤魔化し通すのも言い訳をするのも無理だった。となれば最後の手段しかなかった。
「もうこれ以上は無理そうだな。新八、神楽、お前等はなのはと一緒に此処から逃げろ! 俺がその間時間を稼ぐ」
「お、お父さん何する気なの?」
「今のあいつは包丁研ぎに夢中で俺達の動作に気付いちゃいない。この隙をつき奴に必殺の一撃を見舞う」
 要するに奇襲だった。如何に強靭な輩であっても背後からの奇襲には案外脆かったりする。
 あのヘドロを破るには最早奇襲戦法しか残されてなかったのだ。
「嫌だよ! お父さん死なないでよ! お父さん死んだら私寂しいよぉ!」
「泣くななのは。お前も侍の子なら親との別れの時位笑顔で見送ってく
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