第52話 花粉症対策は万全に!
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役に立たないんだしさぁ」
「何かむかつくんだけど。何でこっち側の女子ってこうも性格悪いの? ねぇ、なのはちゃんも何か言ってあげてよ」
救いを求めるかの如くなのはに話題を振る新八。だが、相変わらず鼻水を垂らしたままのなのはは新八の話などアウトオブ眼中なのであり。
「良いから早くティッシュ買って来てよ。鼻水が固まってガベガベになっちゃうでしょ。そうなると結構痛いんだからねぇこれ」
「おいぃぃぃ! 二人して人の事パシリにしか使わない気かてめぇら! 少しは年上を敬えバカヤロー!」
流石に二人の対応に切れたのか新八が逆切れしだす。普段からぞんざいな扱いをされ続けたせいなのだろう。同情したい気持ちもあるがそれが新八なのもまた事実だったりする。
「おいおい、あんま騒ぐなよガキ共。只でさえ狭いんだからよぉ、返って埃が立つだろう……」
ヨロヨロと起き上がりながら銀時はふと窓の外を見入った。窓柵越しに見える町。その町の中央にでかでかと聳え立つ巨木。
あれ? 巨木って昨日まであったっけ?
銀時の脳内で過去の映像が映し出されていく。明らかにない。昨日まではあんな巨木なかった筈だ。
「おい、お前等……あんな木昨日まであったか?」
後ろを振り返り三人に尋ねようとした。だが、そこで映し出されていたのは神楽にアルゼンチンバックブリーカーを決められて虫の息の新八と、審判よろしく床を叩くなのはの姿が映し出されていた。
その際に神楽の「どぉだ参ったかぁ! これがヒロインの力じゃぁ!」とか新八の「死ぬ死ぬ! マジで死ぬからぁ!」とかなのはの「新八君、ギブ? ギブするぅ?」などと言う全く今回の話と関係ない事をしまくっている自由極まりない面々であった。
「おぉい、てめぇらそれ一旦中断してこれ見ろって。何かマジで凄い物見れるから。もう眉唾物ってレベルじゃ済まねぇ代物だからマジで」
一旦プロレス紛いな行いを中断し、全員が窓の外に目をやる。そして全員が町に聳える巨木を目にした。
「あの、何ですかあれ?」
「でっかい木が生えてるねぇ。でもあんなの昨日あったっけ?」
「嫌、確実になかったよ。ってか、あの木から猛烈に花粉が出てるんだけど、江戸の花粉症の原因ってあの巨木じゃないの!?」
「おいおい、洒落になんねぇぞぉこりゃ」
このままだと江戸は半永久に花粉症の恐怖に見舞われてしまう事になる。そうなれば江戸の町人は皆鼻水をダラダラ流し続けて鼻の辺りがガベガベになりながら人生を過ごすことを強いられてしまうのだろうか。
「そんなの私絶対嫌ネ! 何処の世界に鼻水垂らしっぱなしのヒロインが居るアルか!」
「私だって嫌だよ! そんな汚らしいの」
「俺だって嫌に決まってるだろうが! 何処の世に鼻水垂らしっぱなしの主人公が居るんだよぉ!」
「いや、そう言う問題じゃない
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