暁 〜小説投稿サイト〜
ヘタリア大帝国
TURN137 議会の腐敗その二
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「その利権を手放すことは絶対にありません」
「植民地全ての奪還だよな」
「その為にはです」 
 何としてもだというのだ。
「エイリスが滅びようとも」
「国家が大事か、自分が大事か」
「彼等は後者です」
 間違いなくだ、そうだというのだ。
「自分達のことしか考えていません」
「だよな、どう見ても」
「ですから」
 それ故にだというのだ。
「あの方々は戦いを続けると主張されます」
「正直俺もな」
「貴族院の説得は不可能と思われていますね」
「無理だろ」
 目を顰めさせてだ、イギリスはこの言葉を出した。
「どう考えてもな」
「そうです、ですから」
「女王さんが講和を言ってもな」
「非常大権を出されますね」
「はい」
 今度はセーラがイギリス妹に答えた。
「彼等が首を縦に振らないならば」
「つまり念頭に置いておられますね」
「そのつもりです」
 こう言うのだ、しかしだった。
 それでもだとだ、イギリス妹は難しい顔でこうセーラに答えた。
「例え大権を発動されても」
「彼等はですか」
「かえって激昂し、その私兵を総動員します。それに」
 さらにだというのだ。
「彼等はその資産でならず者達を雇っています」
「自警団とか言ってるな」
「しかしその実態はです」
 ただヤクザやゴロツキを雇って使っているだけだ、それはまさに。
「マフィアと同じです」
「貴族がマフィアのドンか」
「それもまた彼等の実態です」
「つくづく腐りきってやがるな」
 イギリスはわかっていたこととはいえその話からあえて言った。
「本当にな」
「全くですね」
「やっぱり連中は何とかしたかったな」
 この戦争がなければ、イギリスは歯噛みすることしきりだった。
 だが今こう言っても仕方がなかった、それでだった。
 イギリスは意を決した顔でセーラに言った。
「多分非常大権を出してもな」
「私がそれにより軍を動かしても」
「向こうもまだ残っている私設軍やならず者達を使って来るぜ」
 絶対にだというのだ。
「それこそロンドン議会でな」
「全面衝突ですね」
「ああ、講和どころかな」
 そうなってしまうというのだ。
「内戦だよ」
「そうなりますね、そうしても」
「連中は結局自分達だけなんだよ」
 私利私欲、それのみだというのだ。
「だからそれこそ何としてもな」
「私に対しても」
「ああ、それこそ身柄を拘束したりとかな」
 そこまでしかねないというのだ、女王に対して。
「流石に処刑はないだろうけれどな」
「そんなことは我々が許しません」
 ロレンスが女王に忠誠を誓う騎士提督として毅然として言って来た。
「何としても」
「俺もいるからな」
 イギリスもだ、国家としてセーラに言う。
「女王さん
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ