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ドリトル先生と京都の狐
第一幕その九
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「今と昔の文化が一緒にあるというところも」
「しかもね」
「しかもですね」
「日本の文化だけじゃないから」
「イギリス文化もありますね」
「フランスもドイツもイタリアもね」
 他の欧州の国々の文化もあるというのです。
「その他のものもね」
「あるんですね」
「そう、あるよ」
 そうだというのです。
「スペインもロシアもね」
「欧州の主要な国が全部ですか」
「アメリカ、中国、インドとね」
「欧州以外の国々のものもですか」
「何でもあるよ、ロンドンにも負けないよ」
「それも国全体がですね」
「そうなんだよ。僕達が今いる神戸も君が最初に来た大阪も」 
 その街もだというのです、大阪も。
「様々な国の文化と日本の今昔の文化がね」
「一緒にあるんですね」
「だからいいんだよ。そして京都も」
 先生は週末にトミーと一緒に行くその街のことも言います、そこもです。
「今昔の文化が一緒にあるんだよ」
「特に昔の文化がですね」
「僕もはじめて行くけれど楽しみだよ」 
 見れば先生の目も輝いています、まるで小さな男の子が遥か彼方へ冒険の旅に行く様にです。先生がこれまで行った多くの不思議な場処に行く前になる目でした。
「どんなところかね」
「本当に楽しみですよね」
「まずは京都」
 最初はという感じでの言葉です。
「それから大阪もじっくり行って」
「そしてですね」
「それから奈良や伊勢も行きたいね」
「行く場所は多いですね」
「高野山にもね」
 和歌山のあのお寺にもというのです。
「行きたいね」
「行きたい場所が多いですね」
「全くだよ、困ったよ」
 困ったと言いながらもです、先生はにこにことしています。
「日本は素晴らし過ぎるよ」
「素晴らしいものが多過ぎますね」
「そうなんだよね、この国は」
「美味しいものが一杯あって」
「様々な文化があってね」
 先生の様な学者さんは困ってしまうというのです、見るべきものに学ぶべきものが本当にあちらこちらにあってです。
「困るよ、何年かかっても勉強しきれないかもね」
「じゃあ日本に定住したこともですね」
「よかったと思うよ」
 イギリスからです、就職を縁に住めたことがだというのです。
「僕にとっても動物達にとってもね」
「イギリスとはまた違ったよさがあるよ」
「とてもいい国だよ」
 ここで動物達も言ってきます、厩の中に戻った老馬とオシツオサレツ以外の皆が先生の周りに集まってくつろいでいます。
「日本はね」
「落ち着けるしね」
「物凄く騒がしいと思うんだけれど」
 日本という国のことを聞いたらです、トミーはそう思えて仕方ありませんでした。様々な文化が全部一緒にある国ですから。
「違うんだね」
「そうだよ、今だって落ち着けてるし
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