暁 〜小説投稿サイト〜
少年と女神の物語
第四十九話
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
うとするのか分かりませんから」

 むしろ、明日以降が心配になる。

「って、傷治ってる・・・」
「ついでに治癒の術もかけさせていただきました」

 そんなこともしてくれたのか・・・頭が上がらないな。
 そう考えながら、俺は沈まぬ太陽(パーマネンス・レイ)を解除し、生命力が戻ってくるのを感じる。

「では、私はここに残ります。今回のことを簡単に報告しておきたいですし」
「全部、ではないのですか?」
「はい。・・・シヴァから簒奪した権能については、このまま隠そうと思いますので、武双君自身がどうするのかを考えてください」

 そう来たか・・・でも、この権能もかなり切り札になると思うんだよな・・・

「いえ梅先輩から話してしまってください。報酬と交換、でも構いません」
「いいんですか?」
「はい。俺としてはもう、プロメテウスが隠せていれれば十分ですから」
「・・・では、委員会から搾り取るのに使わせていただきますね」
「それと・・・本当に俺、いないほうがいいですか?その辺の重機よりは力仕事できると思いますけど」

 これは、本当にそう思っている。
 色々と兼用すれば、かなりのことが出来るはずだ。

「いない方がいいですね。ほとんどの人が畏まってしまって、作業になりません」
「ああ・・・」

 その言い方に、ものすごく納得してしまった。
 あんまり、関わり持とうとしてないからなぁ・・・変なイメージが植えつけられてそうだ。

 俺はそう思ったので跳躍の術で家に向かい・・・途中でかかってきた電話に、一旦足を止める。

「はい、もしもし」
『あ、武双くん?やっほー、お母さんですよー』

 俺はすぐに電話を切った。
 そして、またすぐに電話がかかってきた。

「・・・はい」
『まったく、何ですぐにきっちゃうの?お母さん、そんな子に育てた覚えはありませんよ』

 また切って、またかかってきた。

「そろそろ真面目に話す気になったか?」
『ぶー、武双くんが反抗期・・・いいじゃない。誰にかけても中々通じなくて、ようやく通じたんだから、少しくらい羽目を外しても』
「とりあえず、あれだけの旅行をして疲れてることを考えような」
『私と隆哉さん、あの後すぐに行動してるわよ?』

 この両親の体力が、普通におかしい。

「で?用件は?」
『何で武双くんだけは起きてるの?』
「電話を切るぞ。電源ごと」
『悪いな、武双。そしてやめてくれ』

 急に電話の相手が父さんに変わった。
 大方、母さんに呆れて変わったんだろう。

『まあでも、何で起きていたのかは冗談抜きに気になるな。また何か危ないことを・・・』
「一寸法師ことスクナビコナと殺り合ってた」
『・・・まあ、生きてるから
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ