反董卓の章
第24話 「……もう、決めたから」
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成り下がります。だからこそまとめるべき人間が必要です」
「……それなら、貴方でいいじゃない」
曹操は、胡乱げに俺を見ながらそう言う。
そんなことが出来るわけ無いだろうが……
「私は劉備の軍師に過ぎません。さすがに無理です」
「そうかしら……貴方なら出来るでしょ」
「ありがたいお申し出ではありますが……諸侯の皆さんはともかく、その兵が認めるとは思えませんね」
「……責任逃れにも聞こえるけど」
「そう思われても仕方ないとは、自覚していますよ」
実際、俺の責任でどうにかなるならそれでいいんだけどな。
龍脈の暴走で、俺自身も暴走しているのを劉表の兵以外は見ているし……それでなくても無位無官。
とても無理だろう。
「なら劉備を旗印でいいじゃない。実際、戦闘終結宣言も劉備でしょ」
「……新参の劉備でよろしいので?」
「未だにそんなこと思っているのが、この中にいると思う?」
曹操は周りを見回して言う。
劉表も雪蓮も、格式よりも実力主義だ。
「用件はそれだけ? なら休むわ。進軍するなら早めに伝達してちょうだい。盟主の軍師サマ」
そう言って天幕を出て行く曹操。
その後姿に、思わず嘆息する。
「……よいのか?」
劉表が俺に尋ねてくる。
俺は肩を竦めた。
「仕方ありません。桃香には私からお願いすることにします」
「いや、儂が名目上になってもよいが……」
「……本来ならば筋かもしれません。ですが、万が一を考えると景升様に類が及びます。それぐらいならば……」
「待て。劉備の嬢ちゃんならば良いとは言わぬぞ! 儂のような老骨はどうなろうとかまわんが、嬢ちゃんは大事なお主達の……」
「はい。ですから、もしその状況の場合は、俺の命一つで贖うように手配します」
「……!」
俺の言葉に目をむく劉表。
いや……当然だろ。
自分の責任は、自分で果たさなきゃな。
「そんなこと……嬢ちゃんも儂も認めんぞ?」
「とはいっても……最悪のことは考えませんと。最小限の犠牲はどうしたって必要です」
「いかん!」
突如、劉表が俺の肩を両手で押さえる。
「お主はこれからの漢にとって必要な人物じゃ! 死ぬことなど、まかりならん! 儂が盟主となる! よいな!」
「……………………」
「嬢ちゃん達には儂から伝える! ここに居る者もそう心得よ! この話は以上じゃ!」
そう言って有無をいわさず、天幕から出て行く劉表。
恐らく、曹操にもそう伝えに行くのだろう。
「……まったく。俺なんかのために、みんなどうして……」
思わず呟く。
すると――
「盾二……」
目の前に立った雪蓮。
その顔を見る前に、盛大に頬を叩かれる。
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