反董卓の章
第23話 「…………メロン?」
[16/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
いでよ。元々助けてもらったのはこっちだしね。無事……みたいでよかったわ」
「ああ……馬正に助けられた。俺の命は、馬正の命だよ……」
「……あのおじさんが」
馬正?
誰だ……?
「劉備さん、馬……いや、その人って?」
「あ、うん……馬正さん。ご主人様の臣だった人。その……」
劉備さんは言いよどみ、視線を背後の荷台に向ける。
それだけで、なんとなく察した。
「…………そか。あとで、俺もお礼を言わなきゃな……」
「……うん。喜ぶよ、きっと……」
劉備さんは、それだけ言うと俯いた。
俺は……その姿を見てはいけないと思い、空を見上げる。
見たいはずの青空は……見えなかった。
―― 曹操 side ――
「……それで。盟主がいなくなったわけだけど、貴方達はどうするのかしら?」
私の声に、急遽作られた大天幕内の各諸侯は、無言のまま黙している。
董卓軍の兵の殆どは逃げ出し、虎牢関の中には投降した兵しか残っていない。
呂布は逃亡、張遼は我が幕下に入った。
今、虎牢関は完全に連合の手にある。
にも関わらず進軍しないのは、その損害の大きさがあるのだから。
「……まともな戦力が残っておらぬ以上、撤退する以外にあるまい」
そう言い出すのは劉表。
彼の兵力は、被害に合わなかったとはいえ逃散兵が激しい。
無傷だった一万八千の残存兵力は、実に三千程度しかいない。
「う〜……七乃ぉ……わらわはもう帰りたいのじゃぁ……」
「はいはい……もうちょっとだけ、我慢して下さいねぇ……」
その横には袁術と張勲が控えている。
袁術軍は完全に崩壊し、保護した劉表の麾下に入っていた。
自家兵力は百にも満たないらしい。
「ここまで来て撤退したくはないけど、どうしようもないわね……」
呟く孫策軍は、元々の兵力が少ないにも拘らず、被害は一番少ないと言っても良い。
五千だった軍は、実質三千五百まで減っている。
しかし、あれだけのことがあったにも拘らず、被害が千五百というのは驚異的と言っても良い。
よほど兵の忠誠心が高いのでしょう。
「十万対九万のほぼ互角の戦い。しかも、あんなことがあった上に袁紹軍の分裂もあれば……残った方ではあるでしょう」
そう言うのは天の御遣い、北郷盾二。
劉備の代理として、この場に来ている。
劉備軍の被害も相当大きいらしい。
そんな状況でも、逃散兵がほぼ一人も居なかったというのだから……正直驚きだわ。
それでも戦死者、負傷兵は一万以上。
実質行動できるのは、八千が限度とのこと。
むしろ、あの呂布と戦ってよく壊滅しなかったと言いたい。
「私の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ