第一部 vs.まもの!
第5話 ぼっちのひんかく!
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来上がるんだよ!」
「貴様に言われる筋合いはないがな」
「とことん胸糞悪ぃ野郎だな! てめえ、友達いねぇだろう、信用できる仲間ってもんがよ! ケッ!」
「それがどうした。つるむ相手を探すのに時間と精神的な活動力を割(さ)くなどというのは、暇人のする事だ」
「おっさん、もういい加減にした方がいいぜ?」
ウェルドはうんざりして言った。
「気にくわねぇがこいつの言う通りだ。これ以上引き止めるってんなら、ちょっと覚悟してもらう事になるが、いいかい」
大剣の柄に手をやる。
「ところで」
ディアスが帯に挟んでいた石板を手に取り、文字列の一部を撫でた。撫でられた部分の文字が青白い光を放つ。いつもは細い目を今ばかりはクワッと見開いているので怖かった。
「貴様のような人物は先々、浅はかな理由から我々の妨げとなる行動をとりかねない。そのようなリスクのある人物を生かしておく理由はない」
「嫌だあぁ!」
カドモンが時の行路図を広げ叫ぶと、その姿がパチンと消えた。ディアスは長い溜め息をつく。
「……。時を浪費した。行こう」
ウェルドは何となく、後ろを振り向いた。雫の石が取り残されて床に転がっていた。
ラフメルが自生する地点に続く装置を作動させるという石が。
「……妹ねえ……」
歩み寄り、拾い上げる。
手の中で転がしてみた。
何かが見えそうな気がした。
失われた何かが。
「その石で何をするつもりだ?」
答えず、突き当たりの磨き上げられた祭壇に歩み寄った。雫の石がちょうど収まる大きさの窪みがあった。
雫の石を嵌めると、隣の壁が動き、開いた。
「てめぇの知った事かよ」
ディアスは無言だった。ウェルドが歩きだす気配を見せないのを受けて、彼は踵を返し、たった一人で遺跡の奥に歩いて行く。
ウェルドは開かれた通路に足を踏み入れた。
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