暁 〜小説投稿サイト〜
とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第5話 ぼっちのひんかく!
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
家族の命がかかってんだろうが! えっ!? てめえらその為に来たんだろうが!」
「貴様の脅迫が我々に通用しない理由は三つある。まず一つ。文献によれば遺跡の殆どの階層には、無数の異なる時空列が存在している。ここでラフメルの葉を探す連中の姿を見ないという事は、奴らは異なる時空に存在しているのだろう。よって貴様の存在は、ラフメルの葉を探す目的において何ら妨げにならない。二つめはより根本的な理由だが、貴様は思い違いをしている。我々はラフメルの葉を探しにここに来たのではない」
「何だとぉ?」
「三つめの理由は、貴様の読みが甘すぎるという事。交渉相手が条件をのむという保証はどこにもなかった筈だ。もし仮に俺がラフメルの葉を探しに来たのであれば、目的を達成するために貴様を殺して石を奪っていた」
「えっ……」
 カドモンが貧相な表情筋を駆使して愕然とした顔をする。
「しっかしおっさん、すげえ運悪ぃなー! 新入りは全部で十四人、バルデスと一緒にいるアッシュを除いて十三人だとしても、ラフメルの葉を探すのを断ったのは三人だけなんだぜ。よりによってその三人の内の二人と遭遇しちまうなんてよ」
「そういう事だ。無駄足だったな」
「ま、待て――」
 歩き出すディアスに先回りし、カドモンは石を床に置いて、彼の前に立ちはだかった。
「このまま『はい、そうですか』と引き下がるカドモン様じゃねえぜ! 町の先輩をなめるんじゃねえ、こうなったら力ずくでも金目の物を強奪ぶっ!」
 ウェルドはカドモンの足許にフリップパネルを敷いた。助司祭は弾け飛び、背中から壁にぶつかった。ディアスが呆れた目をして振り返る。
「力ずくで、何だって? あぁ?」
「そんなに金が欲しいのか……」
 無様に床に倒れこむカドモンに歩み寄り、ディアスは見下ろして言った。
「我々に金を支払うつもりがない以上、話を続けても双方にとって時間の無駄にしかならない。他を当たる事だ」
「い、痛ててててて……わかった、てめえら金がねぇんだな? なら――」
「金なら掃いて捨てるほどある」
 ウェルドは、こいつに昨日の報酬の件を話すのはやめようと思った。
「だが貴様には一ガルドたりとも支払うつもりはない。貴様の金の使い方などたかが知れているからな。酒か、女か、大麻か……。貴様に金をやるくらいならば掃いて捨てたほうがマシだ」
「じ、実は俺は難病でだな」
「それがどうした」
「薬を買うのに金が必要で」
「関係ない」
「く、薬をのまねえと死んじまうんだよ! だからその――」
「ならば死ね」
 そこまで言うのか! むしろウェルドが驚愕した。カドモンは見え透いた嘘をつく気も失せたと見え、ディアスを指さして口をパクパクさせる。
「信じらんねぇ――どこのボンボンか知らねえが、いってえどういう教育受けたらこんなのが出
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ