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緋弾のアリア-諧調の担い手-
その手に宿る調律。
そして想いは力となりて
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烈な光に、俺は思わず瞳が焼ける様で、目を瞑る。

けれど。
その光は暖かくて、俺の身を包み込む様で、何処か心が安心する、安らぐ。

数瞬の後。
光が晴れると同時に、俺は暗い闇の中に閉ざしていた瞳を開く。
そしてその視線の先には、先程までは佇立していなかった存在が佇立していた。

それは四本の鞘の形をした存在。
そのその存在を包む光は幻想的で、何処か太陽を連想させる。
神々しいとまで言えるだろう。自分とは階層の異なる、異質で、異常な存在。


『…こうして、貴方様と直にお話する事になるのは初めてですね?』

「ああ、そうだな。俺は今までお前の呼び掛けに応じる事が出来なかったから…」


諧調が言う様に、こうして面と向かって話をする機会は初めての事だ。
それ以前に、俺はこの存在の幾度もの呼び掛けに応える事が出来なかった。
夢の中での出来事を、漸く今になって鮮明に思い出す事が出来た。


「…まぁ、俺は此処に世間話をしに来た訳じゃない。俺が来た理由は理解出来るな?」


俺はそう、諧調に問い掛ける。
その言葉とは裏腹に、もしもの時は戦闘になるかもしれないと、俺は警戒して、何時でも心剣を精錬出来る様に身構える。

だが、仮にもしも戦闘に発展するとして。
俺如きの存在が、高位の永遠神剣にどれ程通用するかは解らない。
それこそ、その力の一振りで全てを終わりにされる事だろう。

……けれど、それでも俺はそれで終わるつもりは毛頭ない。

力では勝てない事だろう。だが。
その自らの中に抱く想いでは、決して劣るつもりは、負けるつもりはない。


『はい、貴方様が此処に訪れたのは私と契約を結ぶ為。…断言しましょう、私には貴方と争う気はありません。どうか、その身の力を抜いて下さい』


俺はその諧調の言葉に頷くと同時に、問いを掛ける。


「…それを、信じてもいいのか?」

『はい、私の名である諧調に誓って』


自らの名を賭けてまで告げたその言葉に、俺は一先ずの所、鞘から抜き掛けた剣を収める。
争いにならないのであれば、回避出来る事に越した事はないのだ。
だが、油断するつもりは、気を抜く気は毛頭ない。


『度々尋ねますが貴方様は、私と契約をする意志をお持ちですね?』

「ああ、俺はお前との契約を望む…」

『問わせて頂きましょう。何故ですか?』

「力が欲しいんだ。大切な物を守れるだけの力が。…お前の事だ、俺の前世での記憶も知っているんだろう?」


この存在と自身の心を同調した時、俺はこの存在の名を得た。
そして、きっと諧調側にも俺を構成する情報が流れ込んでいる事だろう。

思い出すのは、前世での記憶。
それは未だに払拭出来ない、脳裏に焼き
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