その手に宿る調律。
時夜、四歳の一時
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、俺は失いたくない。手放したくない。そう心から思う。
だから、俺は家族を守りたい、得た力も家族やこれから出来る大切な人達を守る為に使いたい。
「…はぁ、良かったぁ」
そんな思考はさて置いておく。
俺は今現在の食卓の状況を確認して、ほっ…と、一息吐く。
「良かった、まだ残ってる…」
心底落ち着いた表情をする俺を見て、ナルカナことルナお姉ちゃんが思わず小首を傾げた。
「…どうしたの、時夜?」
「……えっと」
「ふふっ、いえ。早くしないとナルカナ様に朝食を全て平らげられると、時夜様とお話していたので」
ルナお姉ちゃんの問い。
それに答えづらそうにしていると、助長する様に俺の変わりに問いに答える。
綺羅お姉ちゃんのその言葉を聞いて、ルナお姉ちゃんが可愛らしく頬を膨らませ、鋭い視線を向ける。
「ちょっと綺羅、あたしはそこまで暴食じゃないわよ!」
「さて、席に着きましょうか時夜様」
「は〜い」
そんな事もどこ吹く風。
綺羅お姉ちゃんは慣れたものと言わんばかりに気にも止めないで、俺を連れて席に着く。
尚もきゃいきゃいと吼えているルナお姉ちゃん。
俺はそれに、しれっとした顔で止めの一撃を繰り出した。
「…ルナお姉ちゃん、うるさい」
その俺の一言で、難なく撃沈するルナお姉ちゃん。
何かが崩れ去る様な擬音が聞こえた様な気がするが、気には留めない。
「……時夜にうるさいって言われた…うるさいって言われた…」
この人も俺に対して、大概にどういう訳かブラコンだ。
原作本編では語られていなかったが、案外子供好きなのかもしれない。
それか、俺というイレギュラーが生じたせいで色々と誤差が生じたのか。
涙目を浮かべ、体育座りをして沈むナルカナ。
外見が半ば美少女だからその様相ですら可愛く見える。
…というか、格好が格好な為に、下着がモロに見えている。まぁ、そこは何処と無く視界に入れない様にしよう。
まぁ、ルナお姉ちゃんは放って置いても大丈夫だろう。その内、何時もの様に直る。
「では、朝食にしましょうか。今日は時夜さんの好きな、なめこのお味噌汁ですよ」
「やったね!」
「ふふっ、いっぱい食べて下さいね。」
「そうですよ、いっぱい食べないと早く大きくなれませんよ?」
そう言い、綺麗に微笑む環お姉ちゃん。環お姉ちゃんマジ聖母
出雲は外界から遮断された場所になっており、その時代感は旧暦の古き良き日本の情景だ。
その為に、食事は和食が主となる。
出雲は緑が溢れていて、自然の恵みが豊富にある。
季節によって、採れるモノも変わり、新鮮で飽きがこない。
それ故
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