緋色の空
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香り《パルファム》のおかげだろうか。
エルザとジェラールは顔を背け、小刻みに震えていた。
「もうどうなっても知らないわよ!」
「あいっ!」
「後先考えないぞーっ!」
ルーシィがポカポカと握りしめた拳を振るい、ハッピーが爪で引っ掻き、ルーが喚きながら全身フルで動かして攻撃する。
「お願い!ジェラールを連れて行かないで!」
「その人は、私達の大切な人なの!」
「僕達の恩人に・・・やっと会えた大好きな人に、死刑なんて言わないでください!」
評議員に腕を掴まれながらも、ウェンディとココロは涙を流して懇願する。
2人の腕を掴む男にアランは一撃決め、続けざまに肘打ちを放った。
格闘系の魔法を使うからか、格闘術は得意なようだ。
シャルルもその鋭い爪を振るう。
「来い!ジェラール!」
評議員に囲まれながら、ナツが叫んだ。
距離はゆっくりと、それでも確かに縮まっている。
「お前はエルザから離れちゃいけねえっ!!!!」
必死に腕を伸ばす。
だが、まだ足りない。
「ずっと側にいるんだ!!!!エルザの為に!!!!だから来いっ!!!!」
目を瞑り、ジェラールは震える。
出来るならナツの手を掴んでエルザの傍にいたい。
だけど、自分は罪を犯した。それも、人の命を奪う程の重い罪を。
その罪は償わなければならない。
それを受け入れているのに、それでもナツ達は必死に救いの手を伸ばす。
それが嬉しくもあり、辛くもあった。
「オレ達がついてる!!!!」
グレイが拳を決め、ハッピーが評議員の髪の毛を強く引っ張る。
アルカが顎に蹴りを決め、アランが手刀を放った。
「仲間だろ!!!!」
ジュラの拳が相手の顔面に決まる。
グリードウィング―――翼のように進化したヒレで空を飛ぶサメのモンスターだ―――に変身したヴィーテルシアは上空から突撃していく。
ルーシィはありったけの力を込めて膝蹴りをし、ルーはがむしゃらに腕を振るう。
「全員捕えろォォォ!公務執行妨害及び逃亡幇助だー!」
ラハールが叫ぶ。
それと同時に、さらに多くの評議員が動く。
ナツとジェラールの距離が伸びていく。
「ジェラーーーーーール!」
それでもナツは手を伸ばす。
ジェラールの手を掴む為に。
その時―――――――
「豊穣神フレイに命じる。“何でもいい。そこらの植物で妹と罪人以外拘束しろ”」
声が、響いた。
それと同時に、地面に銀色の魔法陣が展開する。
そして、
「ぐっ!」
「うあっ!」
「くっ!」
その場にいたティアとジェラール以外、ナツ達やラハール達全員が突然伸びてきた植物に拘束された。
「この魔
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