第二章
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母親が必要なのじゃ。わかるか」
「それはわかったけれど」
だがみよはここでどうにも難しい顔をしてきた。箸の動きも鈍っていた。
「ただ」
「ただ。どうしたのじゃ?」
「その新しいお母さんだけれど」
「うむ」
「どんな人かが」
不安げな顔でこう述べてきた。
「やっぱり気になるわ」
「そうか。そうだよな」
「勿論じゃない」
みよは述べる。
「若し私が苛められたりしたらどうするの?」
「その時は俺に言え」
五郎は左手の拳で胸を叩いて述べてきた。
「いいな」
「信じる?」
「いや、ひょっとしたら」
情けないことにここで少し首を捻ってきた。
「騙されるかもな。御前を信じるが」
彼は自分でも認める騙されやすい男であった。今まで何かと騙されてきている。武辺者ではあるがそのせいで損もしてきている。。実はみよにも結構助けられているのである。
「でしょ?若しその新しいお母さんがずるい人だったら」
「そうだよな。やっぱり危ないよな」
「そうよ。だからね」
彼女は言う。
「新しいお母さんは心の優しい人にして」
「わかった」
それに頷く。
「では優しい女の人にする」
「前のお母さんみたいにね」
「なぬっ」
しかしこの言葉には目も顔も顰めさせてきた。そのうえで娘に問い掛ける。
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