私がついている
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固かった。
それを察したジュラとアルカは少しの間顔を見合わせ、笑みを浮かべる。
「ならばワシ等が代わりに弟を探そう」
「本当デスか!?」
「任せとけって!んで、弟の名前は?」
ドン、と自分の胸を叩いてアルカは明るく笑う。
魔導士は仕事で様々な場所に向かう。リチャードの弟も探せるだろうと考えたのだ。
弟の名を聞かれ、リチャードは答える。
「名前はウォーリー。ウォーリー・ブキャナン」
どこかで聞いた事のある名前。
一体どこかと言うと―――
「ウォーリー!?」
「!」
「猫好き女と一緒にいた・・・」
そう、楽園の塔だ。
エルザの昔の仲間、ナツとティアが倒した男。
かくかくでダンディが口癖、猫好き少女ミリアーナと一緒にいた男がナツとハッピーの脳裏に浮かび、ティアは呟く。
「その男なら知っている」
「何と!?」
「マジかよ!」
「!」
アルカも一応会ってはいるのだが・・・覚えていなかったようだ。
エルザの言葉に、ジュラ達が目を見開く。
「私の友だ。今は元気に大陸中を旅している」
その言葉に、リチャードは目を見開いた。
エルザは優しい笑顔を浮かべてコクッと頷いて見せる。
リチャードの目から、涙が溢れた。
「グズ・・・ズズズ・・・これが光を信じる者だけに与えられた奇跡というものデスか。ありがとう、ありがとう・・・ありがとう!」
逮捕される前に、弟の無事を知れた。
それに対し、その事実を教えてくれたエルザに、弟を探そうとしてくれたジュラやアルカに感謝を述べ、リチャードは連行されていく。
「何かかわいそうだね」
「あい」
「仕方ねえさ」
「いつか弟に会えるといいね」
その大きな後ろ姿を見送りながら、ルーシィとハッピー、グレイとルーが呟く。
そして、一夜は全身にびっしりと汗をかいていた。
「もう良いだろ!術式を解いてくれ!もらすぞ!」
「いえ・・・私達の本当の目的は、六魔将軍ごときじゃありません」
「へ?」
「!」
六魔将軍はバラム同盟の一角を担う闇ギルドだ。
それを『ごとき』と片付けるラハールの言葉に一夜は目を点にし、他のメンバーも少なからず目を見開く。
「評議院への潜入・・・破壊、エーテリオンの投下。もっととんでもない大悪党がそこにいるでしょう」
ラハールが指さす先。
エルザの目が見開かれる。
「貴様だジェラール!来い!抵抗する場合は抹殺の許可も降りている!」
ラハールの本当の目的。
それは―――楽園の塔事件の罪を背負う、ジェラールだった。
確かに彼の前ではバラム同盟の闇ギルド1つは霞むだろう。
それほどの罪を犯したのだ。
「そん
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