私がついている
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タッチの音が響いた。
そして、ナツは髪を耳にかけるティアに目を向ける。
視線を感じたのか、青い目がこっちを向いた。
「お疲れさん、ありがとな」
「偶然同じ選択をしただけよ」
言葉を交わす。
そして、コツリと拳を合わせた。
まるで、大きく長い戦いを終えた“戦友”のように。
「全員無事で何よりだね」
「みんな・・・本当によくやった」
「これにて作戦終了ですな」
「キモッ」
ハッピー、ジュラ、一夜が口を開く。
一夜の横にいたルーシィはマッチョな一夜を見て小さく呟いた。
「・・・で、あれは誰なんだ?」
「?」
「ほえ?」
グレイが振り返り、つられるようにルーシィとルーも振り返る。
そこには腕を組み視線を落とし俯くジェラールがいた。
「天馬のホストか?」
「ヒビキ達はホストじゃなくて魔導士だよう」
「あんな人いたっけ?」
魔導士のルーシィをキャバ嬢と呼んでいたルーが言うのもおかしいが。
首を傾げる3人に、エルザが口を開く。
「ジェラールだ」
「何!?」
「あの人が!?」
「えええっ!」
「・・・」
楽園の塔に関わってはいたものの、ジェラールの姿を直接見てはいない。
突然かつての敵が目の前に現れ、ルーシィ達は目を見開いて驚愕した。
その近くでその話を聞いていたナツは寝っ転がりながらムスッと顔をしかめる。
「だが、私達の知っているジェラールではない」
「記憶を失ってるらしいの」
「いや・・・そう言われてもよぅ・・・」
「大丈夫ですよ。ジェラールさんは本当はいい人ですから」
「私達を助けてくれた優しい人なんですよ」
どう言われてもジェラール=悪人のイメージが消せないグレイに、アランとココロが説明する。
そんな中、ティアは1人座り込んで何かを考えていた。
(ヴィーテルシア曰く、ウェンディ達は“7年前”ジェラールに助けられた。そしてエルザは“8年前”ジェラールによって楽園の塔を追放されている。ゼレフの亡霊に取り憑かれていたジェラールが、何でウェンディ達を助けたの?奴隷にしてしまえばよかったのに・・・)
頭を回転させる。
が、いくら考えても答えは出てこない。
すると、そんなティアにアルカが声を掛けた。
「ティア」
「・・・何」
「聞きてェ事があるんだ」
「手短に済ませて」
「何であの時、あの念話がリチャードからじゃねェって解った?」
その問いの答えはすぐに用意出来る。
ティアは立ち上がり、溜息をついた。
「あの念話の声はこう言った。『私デス、ホットアイデス』と」
「言ったな」
「でも私達はホットアイの本名がリチャードである事を知っていた、あの念話が来た時には既に。だったら
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