参_冷徹上司
一話
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同時に、もう一発、稲妻が轟いた。
そしてついに、ミヤコの乗っていた雲が引っくり返った。
悲鳴を上げる間もなく、どすん、という音とともに顔が痛む。
「・・・・・・うん?」
寝ぼけ眼をこすり、目の前のものに焦点を合わせる。
そこには鬼のように怖い形相をした、鬼灯が立っていた。
もっとも、彼は鬼な訳だが。
彼の顔を見るなり、昨日のあれやこれやを思い出し、ミヤコは一気に目覚めた。
「いつまで寝てるんですか」
鬼灯が仁王立ちでミヤコを見下ろしながら言う。
どうやら、さっきの夢で寝ぼけて段ボールのベッドから落ち、その時に顔を打ったらしい。
うるさい稲妻の音は、鬼灯が壊さんばかりの勢いで、ドアを叩いていたのだろう。
「お、おはようございます」
「新社会人として全くなってませんね。もうお昼前です」
「ご、ごめんなさい」
「まあ、今回はいいでしょう。時間は戻りはしませんから。早く身支度をしなさい」
鬼灯はそう言うと、さっさと物置部屋を出ていく。
ミヤコは呆気にとられながらも、言われた通りに素早く身支度を始めた。
彼は今日も、あの金棒を持っていた。
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