暁 〜小説投稿サイト〜
とらっぷ&だんじょん!
第一部 vs.まもの!
第3話 いざ、じっせん!
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す」
 ウェルドは頭が痛くなってきて、深々と溜め息をつくと、額当ての上から額を押さえた。
「くそっ……何で今日はこう……ロクな奴がいねぇ……」
「非常識な人ね。誰からあたしの名前を聞いたか知らないけど、あたしたちはほぼ初対面みたいなものよ。話しかけるならまず名乗るのが筋ってもんじゃないの?」
「ああ! 僕とした事が! 君のような女性に礼を失してしまうなんて! だけどノエルさん、この件についての責任はあなたにあります。あなたがそんなに愛らし――」
「い・ま・す・ぐ・名乗って!」
「オルフェウス。君の虜(とりこ)さ……。容姿ばかりではない。君の溢れんばかりの知性、居ずまい、佇まい、繊細な仕草に細やかな所作(しょさ)、今すぐ君を奪い去り、君の全てを知りたいくらいだ」
「勝手に言ってればいいわ。あたしはあなたみたいな知性のない人は嫌いよ!」
「そんなに照れなくても……ですが、僕は諦めません。いつの日か僕の誠意が君に伝わる日が来ると信じておりますからね。今すぐにでも君と二人きりの時間を楽しみたいところですが……」
 オルフェウスは悲しげな顔で首を振る。
「残念ながら、今日はそこのブ男にも同行してもらわなければなりません」
「何だぁ?」
 オルフェウスは椅子から立った。
「新人冒険者は全員、教会に集まって下さい。緊急のお知らせがあるそうです」


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