Between Times 同居人たちの対話
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じゃない。きっと...自分の痛みを誰かに共感させて苦しませたくないんだと思う...」
「え?」
「辛いことあったけど、今は笑顔で頑張ってるんだぜ?って無理してるみたいに思われて、下手に気を使わせたくないから話さない...そんな気がする」
サヤナは駄々をこねるかと思いきや、意外に真っ当な決意を持っていた。
アイリスとメリーはサヤナの目に嘘は無いことを悟る。
サヤナはコップの水を飲み干すと続けた。
「だから私はその痛みを少しでも背負ってあげたい。それはきっとスズカもシューコも同じだと思う」
スズカと舟子はそれを聞いて頷いた。
それと同時にスズカと舟子も水を飲み干す。
「...じゃあ...私が話します。いいですか、アイリスさん?」
「...分かった。でも絶対に彩斗くんには言わないこと。約束して」
「うん」
「分かったよ」
「分かりました」
メリーはアイリスの同意を得て、3人の意思を再確認するとテーブルの上のリモコンでテレビを消した。
そして深呼吸をしてから口を開いた。
「えっと...どこまで聞いたんですか?サヤナちゃん」
「えっとね...サイトが屋上でカッコイイセリフ言って、変身して、クインティアとジャックをボッコボコにして、もう誰もオレをとめらんねぇ!!ってなった辺りまで?」
「え?ボッコボコ?」
「とめらんねぇ?...え?」
サヤナのざっくりしつつも若干、ズレた説明に舟子とスズカはポカンとした。
だがアイリスとメリーはだいたい理解できていた。
「うん...なるほど。ディーラーから逃亡してプライムタウンに向かったところまでね」
「じゃあそこから。彩斗くん、いえスターダスト・ロックマンはプライムタウンに向かった。初めてウェーブロードを走る感覚に興奮を覚えながら。そしてそこで思い知ることになる。自分の心の根底にある憎悪、拭い去れない恐怖を...」
メリーとアイリスは語り始めた。
彼女たちの説明はまるで見ていたのではないかと思うまでに鮮明で生々しいものだった。
全くそれまでの話の流れが分からないスズカと舟子でもハッキリと光景が想像できてしまうほどに。
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