第四章
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第四章
「それでです」
「で、そいつから情報を聞き出したんだな」
「その通りです」
そういうことであった。
「そのおかげで多くのことがわかったのです」
「それはいいけれどな」
ここでマナドがふとした感じで言ってきた。
「何かありますか?」
「いや、動きが速いって思ってな」
彼が思うのはこのことだった。
「今回。やけな」
「それだけ切迫した状況ですし」
シンカランは答えた。まずはそれだった。
「それに」
「それに?」
「やはり文明の利器です」
次に述べたのはこれについてであった。
「今回はそれをフル活用していますので」
「それで何があってもテロを防ぐってわけか」
「勿論非常手段も使いました」
ここでシンカランの顔が引き締まった。
「尋問に際しては」
「それやったら後々まずいと思うんだがな」
「特に俺達やあんた達がやったらな」
マナドだけでなくアンボンもその非常手段が何なのかわかったのですぐに言ってきた。
「幾ら相手がテロリストでもな」
「そこんところはな」
「非常手段といっても色々あります」
しかしシンカランは落ち着いた態度を変えずこう述べたのだった。
「この場合は」
「この場合は?」
「何をしたんだ?」
「薬を使いました」
つまり自白剤というわけだ。二人は肉体的な非常手段を使ったと思っていたのだがどうやらその予想は外れだったようである。
「薬を」
「それで白状させたのですか」
「その通りです。言っておきますがこれはオフレコです」
「わかってるさ。それはな」
「伊達に刑事をやっちゃいないさ」
このことをわかっていたのは二人だけではなかった。今ここにいる全ての者達がであった。こうした話は警察や軍にいるとどうしても聞かないことではない。だからそれを内密にしておくのもまたいい意味でも悪い意味でも当然のことであるのだ。何処の国でも大なり小なり同じであるだろう。
「だからそれは安心してくれ」
「口は堅いさ」
「有り難うございます。そのテロリストは今病院にいますので」
「そうか」
二人はそのことについては特に何とも思わなかった。この場合の病院とは何処なのか、そしてテロリストがどうなったのかもわかっていたがそれでもだった。テロリストならばそういうふうに扱われていても当然だと思っているからだ。他人を害する輩に人権やそういったものは不要なのだから。
「まあそれであらゆる話がわかって」
「それでだな」
「はい。今すぐに決着をつけます」
シンカランはまた言った。
「奴等のアジトに襲撃をかけて」
「わかったさ」
「じゃあ今すぐだな」
「車は用意してあります」
そこまで既に用意してあるのだった。
「そして武器も」
「武器もか」
「相手はテロリ
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