糸刻み 追
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だがある意味満身創痍なレイフォンを見てどうしようかと考える。
傷自体は深くならないように糸を操っていたから軽傷だけだ。活剄で治癒能力を向上させれば次の日には問題なく塞がっている程度でしかない。
未だに少しプルプルしているレイフォンの足を見る。不意を付き軽く足でつついてやると容易くレイフォンは転んだ。
起き上がろうとするたびに軽く小突いて倒してやる。
「なにするんだよー!」
「それだけ疲れてるなら今日はいい。適当なメイドでも捕まえて新しい服貰って帰れ。訓練で怪我したと言っておけ」
最後に一度大きくレイフォンを転がす。ゴロゴロと転がる姿を見て背を向け屋敷へと戻っていく。
「ししょーのばーか! ししょーみたいになんかぜったいなるもんか!!」
元気な声に足を止め振り向く。
馬鹿にしたような声で、万感の思いを込め言う。
「次からは真面目に教えてやる。だから、こんな武芸者になってくれるなよ」
屋敷へ戻っていく歩みの中、その背に届く幼い罵倒を受け続けた。
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