暁 〜小説投稿サイト〜
とある女性の非日常
新しい出会い
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特にすることもなくて 街の方に散歩に出ることにした。
『断章』が使える今 獅子王は持たず 持ち物はポケットに入れた携帯電話と…青い柄のカッターナイフ。

『(商店街がある…)』

私の地元にも 商店街はあったが 今じゃすっかりゴーストタウン。だから 活気の良いこの商店街は新鮮だった。

そして交番を通りすぎようとしたとき。

「君!学校はどうしたのかな?」

『(やばっ)』

警官に声をかけられてしまった。
眼鏡をかけた 若い警官で…

『(ミッタンだ…!!!)』

なんと 三田村巡査が 私を呼び止めたのだ。

『えっと…』

「見たことない制服だね 高校生か?」

そう。制服に合わせたのか 見た目も高校生のような外見になっていたのを私は知っていた。

『(うーん…どうしよう…)あの…私は…』

「よぉミッタン!!」

「ミッタ〜ン!!こんにちは〜!!!」

「ナンパか?ミッタン」

『!みんな…!!』

バタバタとこっちに駆け寄ってきた三人悪に 三田村巡査はというと…

「ミッタン言うんじゃねぇえぇ!!!!」

キレた。
派出所内のゴミ箱を蹴り飛ばし 三人悪を追いかけ始めた。

「「「きゃ〜!」」」


それも日常茶飯事なことを 私は知っている。

一番近くに地獄堂がありそうな道を選んでそうな(何となく)椎名にくっついて私もみんなと逃げ出した。


数分後。
「チクショー逃げられた!!!あんのガキどもが!!!あれ?さっきの子も居ねぇし!!」


『はぁ はぁ…良かった〜助かったよ』

「ねーちゃん 見慣れない制服だから目立つんだと思う。街に行くんなら着替えが必要だな」

『そうだね。でもそれまでどうしようかなぁ…』

椎名と歩きながら 地獄堂に戻った私たち。
てっちゃんとリョーチンは もう着いていた。

『オヤジさん。私 服とかあった方が何かと便利かと…』

「ヒヒヒヒ…早速職務質問されたか…そうだのう。おい お前たち」

オヤジさんが三人を呼んだ。

「あの金で服を買ってやれ くれぐれも交番の前は通るなよ?ヒヒヒヒ…」

あの金って ああ…一家惨殺事件の時の…
ぼんやりそう思って居たら てっちゃんに袖を引っ張られた。

「そういうことだ!ねーちゃんの服 買いに行くぞ!!」

30分ほど経ったあと 私たちはこそこそっと商店街の服屋の一角にたどり着いた。

魚屋さんやお肉屋さんも近いのか 主婦であろう女性がたくさん行き交っている。

その中に

『あれ?あの女の人…』

割烹着を着た金髪の女性。

流華のママ レオノーラさんじゃないか?

人込みの中 金髪と白い割烹着が目に鮮やかだ。
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