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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン2 鉄砲水と変幻忍法
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 授業が終わり、昼休みを告げるチャイムが鳴った。これから30分ほどは、たのしいたのしいお弁当の時間だ。少なくとも、僕たち以外にとっては。
 今日は僕が珍しく寝坊してしまったため、全員分の弁当はおろか朝食すら作れていない。さすがに罪悪感は感じるが、それ以上に差し迫った問題としてとりあえず腹減った。

「さーいしょはグー、ジャーンケーン………ポイ!」

 チョキ、チョキ、チョキ、パー。最初から順に十代、翔、万丈目、僕である。つまり僕の一人負け。

「くっ………今ちょっと後出ししてなかった?」

 苦し紛れに言いがかりをつけてみるも、そんなことされてないのは僕が一番よくわかってるわけで。

「馬鹿を言え。この万丈目サンダーが、そんなくだらん真似をすると思うか。そもそも元はと言えばお前が悪いんだ、諦めて買って来い」
「ですよねー」

 逆に一喝され、さっさと席を立つ。貧乏なウチの今月分の予算を軽く確認し、なんとかドローパンを人数分買う程度の余裕はあると判断。よかったよかった、これで赤字だったら目も当てられない。

『つーかお前、最近は遊野洋菓子店で結構利益入ってきてんだろ。その金はどこに消えてんだ?』
「いや、人聞き悪いね。それじゃあまるで僕が使い込みしてるみたいじゃん………というかユーノ、今日は学校来てるんだ。めずらしーね、いつもはぐーすか寝てるのに」

 ちなみにこの遊野洋菓子店、正式名称『遊野洋菓子店 YOU KNOW』とは、文字通り僕が経営するオーダーメイド洋菓子(?)専門店である。何でも先だってのホワイトデーに女子寮の皆さんで食べてくださいって送っておいた夢想用に焼いたクッキーの余りが大好評を博したらしく、相応の金は払うからまた何か作ってくれと数人がかりでわざわざ教室まで来て頭を下げられたのだ。
 その時は材料費のことを気にせずに菓子作りができ、おいしく食べてもらえるうえにバイト代まで稼げるんならまあいいかと引き受けたし今もその気持ちは変わってないが、正直アシスタントの一人も欲しいところである。色々試してはみたんだけど十代たちには危なっかしくて任せられないし、ユーノはそもそも幽霊だから物が持てない。サッカーや霧の王といった精霊たちはよく働いてくれるんだけど、普段からデュエルでお世話になりっぱなしなのにこんなことにまで引っ張り出すのはさすがにどうかと思うので自主規制。結局今に至るまで僕が1人で注文をこなしていることになる。

『ふむ。そんで?あの金は何に使ってんだよ』
「あれねえ………注文受け付け用にって無理やり寮に電話回線繋いだときに全部消えちゃった」
『はぁ!?』

 嘘じゃない。もともとオシリスレッドは校舎から遠いうえに、デュエルアカデミア自体が海のど真ん中にある孤島なのだ。万丈目グループのコネがあっ
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